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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

賃上げなき物価上昇で、リアルにお金が減っていく…やるべき&避けるべき行動リスト

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
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やっておきたいこと

住宅ローンの固定金利化もしくは繰り上げ返済

 金利が上がれば変動金利で住宅ローンを組んでいる人は返済額が増えますから、負担が増すことになります。もっとも、125%ルールという保護制度があり、返済額の上昇率は従前の125%を超えないようになっていますから、前年に月10万円の返済をしていた人は、金利が大幅にアップしたとしても、12万5000円までしか上がりません。しかし、それは元本が減らないことを意味しますし、5年ルールによって5年後にはアップするリスクがあります。

 金利変動リスクを回避するには、固定金利に切り替えることです。しかし固定金利にするとかえって返済額が増えるので躊躇するという場合は、一部を固定、残りを変動というふうに、ローンを2本に分けるという方法もあります。対応してくれる金融機関と、対応してくれない金融機関がありますが、これなら固定金利の安心感と変動金利の低利メリットを同時に受けることができます。

 ただ、黒田東彦日銀総裁の再任が決まりましたし、安倍政権のリーダーシップが強く発揮されている間は金融緩和で低金利が続きそうですから、早めの対策がかえってアダとならないよう、タイミングについては判断が分かれるところかもしれません。

 そこでもうひとつの方法。それがこまめな繰り上げ返済で、残債そのものを減らすことがもっとも手堅い方法です。昨今は繰り上げ返済手数料が無料という金融機関が多いですから、ボーナスなどある程度まとまった資金で使う予定がなければ、都度繰り上げ返済していくことです。あるいは日々の生活は余裕があるが、まとまった資金がないという場合、返済額の増額という対応をしてくれる金融機関もあります。

 なお、繰り上げ返済には期間はそのままで毎月の返済額を抑える方法と、毎月の返済額は変わらず期間を短縮する方法の2種類があります。金利削減効果が高いのは後者の期間短縮なので、家計に余裕があるなら期間短縮を、余裕がない場合は返済額を抑える方法で選べばよいでしょう。

・株式投資

 インフレ時代には一般的には株価も上がりますから、株式投資も有力な方法です。積立NISAや確定拠出年金のなかの投資信託など方法はいろいろありますが、資産の一部を株式で持っておくのは、ごく自然な防衛方法といえます。私は積立NISAも確定拠出年金もやっていますが、株式は米国株と英国株を中心にしています。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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