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全国から福岡市へ人も企業も大移動しているワケ

文=山田稔/ジャーナリスト
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アジアゲートウェイとしてのFUKUOKA

 最近は、首都圏から本社機能や拠点を福岡市や周辺に移す企業が増えている。帝国データバンクの特別レポートによると、17年の移転企業は18社で前年の4社から大幅に増えた。

 税優遇措置などの影響もあるだろうが、成長が続く経済、増え続ける人口、若者人口の多さ、手ごろなビジネスコスト、震災リスクの低さなども要因として指摘されている。

 さらにもうひとつ、忘れてはならない大きな魅力が、「アジアゲートウェイ」(アジア諸国との交流で日本の役割、地位を高める)としての存在感である。ソウル、上海、台北など東アジアの諸都市と近い福岡は、アジアとの交流が昔から盛んな土地だ。17年の博多港、福岡空港における貿易額は、輸出2兆9782億円、輸入1兆4767億円で2年ぶりのプラス。主な相手国は輸出が中国23.3%、韓国22.9%、香港10.5%、輸入は中国29.9%、台湾17.0%、韓国7.8%と、アジアが5割を超す。

 外国人観光客も増え続けている。16年の博多港・福岡空港の外国人入国者数は約257万5000人。前年比で約49万7000人の大幅増となった。入国者の内訳をみるとアジアからが大半で、特に韓国人は博多港で上陸した人の9割超、福岡空港でも同5割超に達した。17年の博多港のクルーズ船寄港回数は326回で、3年連続全国1位。

 17年の福岡空港の乗降客数は2380万人(うち国際線617万人)で過去最高。東京国際空港(羽田空港)、成田国際空港、関西国際空港に次ぐ第4位である。国際線は18路線、週720便で、アジアを中心に8カ国・地域19都市を結ぶ(2月現在)。福岡市での国際会議開催件数も増加の一途で、16年は383回と過去最高だった。こちらは全国の都市別で8年連続の2位である。

 このように、アジアの玄関口としての存在感をいかんなく発揮していることがわかる。19年のラグビーワールドカップでは本大会予選プールの開催地にもなっているだけに、しばらくは福岡ブームが続くことになりそうだ。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

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