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『西郷どん』BL路線へ突入か…鈴木亮平と尾上菊之助がカラミの予兆

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 鈴木亮平が主演を務めるNHK大河ドラマ『西郷どん』の第13回が8日に放送され、平均視聴率は13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。9.7%にとどまった先週の特別編よりは大幅にアップしたが、本編としては自己ワーストとなってしまった。

 本編の放送は2週間ぶりとなったが、第12回のラストで安政の大地震を描いたのが意外に区切りとして良かったのか、冒頭からすんなりストーリーに入っていくことができた。被害を事細かに描写するのを避け、地震でだめになってしまった篤姫(北川景子)の婚礼道具を1年で元通りにそろえるようにと、島津斉彬(渡辺謙)が西郷吉之助(鈴木)に命じるシーンでまとめたのもうまい展開だった。

 この後、主命を受けて、文字通り街なかを奔走する吉之助の姿が描かれたわけだが、少し引っかかる場面もあった。材木が足りないと聞き、自らのこぎりを挽いて材木づくりを手伝うシーンがあったのだ。吉之助らしいといえばらしいが、本来やるべきことは自分が手伝って人手を1人分増やすことではないだろう。材木と職人どちらかの手配を急ぐべきである。自分が手伝うのは対処療法でしかなく、根本的な問題解決にはならない。

 一見するとどうでもいいような場面ではあるが、脚本家がどんな意図を持って描いたのかによってこの場面の持つ意味が変わってくる。ひとつの可能性は、「西郷吉之助は大局的な視点を持って動くのが苦手で、いつも目先の問題を解決することにとらわれてしまう」という、これまで繰り返し描かれた人物像をあらためて描いたというものだ。だが、別の可能性として、吉之助が果たしたであろうディレクション業務を描き切れず、自ら体を動かすという単純な描写に「逃げた」とも考えられる。

 婚礼道具を1年でそろえるためには、予算も計算しなければならなかっただろうし、文書とにらめっこする必要もあっただろう。また、業者との交渉も数多くこなさなければならなかったに違いない。若き日にこうした経験を積んだことを描いておいたほうが、明治維新で彼が果たした役割にすんなりつながるのではないだろうか。

 斉彬も、体を動かすことだけが取り柄の男をいつまでも自分のそばに置いて重用することはないだろう。そろそろ脚本の中で、吉之助の「賢さ」も描いておかないと、さすがに話が不自然になってしまいかねない。

 さて、吉之助が奔走したかいあって篤姫の婚礼道具は1年で再びそろい、晴れて将軍家定(又吉直樹)に輿入れを果たした。斉彬は江戸から薩摩に帰る途中で京の近衛家に立ち寄り、篤姫輿入れへの力添えに礼を述べる。吉之助はこの場で、近衛家に出入りしていた僧・月照(尾上菊之助)と運命的な出会いを果たす。微笑みをたたえながら、ねっとりした目付きで「ええ名前ですなぁ」と吉之助に声を掛ける月照。さすがに“いかにも”すぎて少々コントっぽいし、吉之助が女子との交わりを絶つ「不犯の誓い」を立てたことが明かされた直後に「男は不犯の誓いの対象外」と言わんばかりに登場してきたのも、少々狙いすぎな感じを受ける。とはいえ、脚本の中園ミホ氏は当初より「ボーイズラブ」要素を盛り込む可能性を明言しており、驚くには当たらない。むしろ、その題材をどうおもしろくするのかに興味が湧く。

 その後、薩摩に戻った吉之助は、大久保正助(瑛太)の婚儀に参列するが、祝言が始まる前に城から呼び出しを受ける。城で待っていた斉彬は、再び江戸に行って働いてほしいと吉之助に命じるのだった。次回からは吉之助が江戸で否応なしに政治の策謀に巻き込まれていくようだ。ここを盛り上げられるかどうかが、今後の視聴率を占うカギとなりそうだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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