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人手不足に悩む企業の「大きな誤解」…シニア&主婦が活躍できる企業の共通点

構成=長井雄一朗/ライター
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人手不足に悩む企業の「大きな誤解」…シニア&主婦が活躍できる企業の共通点の画像1ジョブズリサーチセンター長の宇佐川邦子氏(写真:家老芳美)

 人手不足でアルバイト・パートの募集時平均時給は上がり続けており、今はどの業種も「サービス業化」し始めている――4月9日付記事『物流・建築業界で「これから本格的に始まる」人手不足地獄…その根本的理由』では、リクルートジョブズでジョブズリサーチセンター長を務める宇佐川邦子氏の話をお伝えした。

 では、今後の働き方や雇用形態はどのように変化していくのか。宇佐川氏は「シニアや主婦などに活躍いただく『年功助力』『プチ勤務』がカギとなる」と語る。

人材確保のカギは「お金」よりも「働きやすさ」

――賃金については、地域によって差があるのでしょうか。

宇佐川邦子氏(以下、宇佐川) 今、どの地域も最低賃金が上がっています。最低賃金が上がると、新規雇用だけでなく、すでに雇用している従業員の賃金も上げることになるため、利益確保がさらに難しくなります。また、採用にも二の足を踏むことになりがちです。そのため、中核都市の経営者からは「本当にきつい」という声も聞こえてきます。

 もともと3大都市圏は賃金の水準が高く、産業の選択肢も多く活性化しています。地方に目を移すと、有効求人倍率がすべての都道府県で1倍を超えたのは、ここ1~2年です。

――人口が減少するなかで、企業が人材を確保するための秘策はありますか。

宇佐川 人は、必ずしもお金だけで動くわけではありません。また、意欲があるにもかかわらず働けない事情を抱えている人もいます。そういった事情を考慮して、より働きやすい環境を整備することが大切です。

 日本の多くの企業は、フルタイムで働き、さらに残業してくれる人を好みます。これは、正社員だけでなくアルバイト・パートも同様です。私たちは、経営者に「1人を多く働かせるより、2人雇ってそれぞれ短時間勤務にすれば、残業代も払わなくて済むでしょう」と言うのですが、返ってくるのは「2人雇うと、マネジメントが面倒になる」という答えです。

 リクルートジョブズでは企業様向けに従業員のシフト管理ツール「シフオプ」も提供しています。従業員のシフトを店舗間で簡単に共有することができ、メールで「人がほしい」と要請すれば、店舗間で人手不足を補えるような仕組みをつくっています。

シニアや主婦を生かす「プチ勤務」とは

――リクルートグループの「2018年のトレンド予測」で、リクルートジョブズはアルバイト・パート領域から「年功助力」を掲げました。

宇佐川 これは、「年の功」を生かした戦略的なシニア雇用のことです。60歳以上の就業希望者は増加しており、内閣府の調査によると「65歳を超えても働きたいと考えているシニア」は55.3%。また、労働力調査では「仕事をさがしている、または雇われてする仕事を希望しているシニア」は約75万人となっています。

 しかし、シニアの就業率は2割程度にとどまり、弊社が行った「シニア層の就業実態・意識調査(2016年)」によると、企業の7割以上はシニア雇用に対して消極的な状況です。一方で、「採用活動がうまくいかず、効率的に人材を獲得できれば売り上げが確実に伸びるのに」という企業は多い。そういう企業は、シニアを雇用するメリットが特に大きいと思います。

 長時間ではなく短時間勤務も選択肢に入れることで、シニアの方々にとって働きやすい環境を整えることが大事です。短時間でもコンスタントに働いている人は働き続ける傾向があります。

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