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小谷寿美子「薬に殺されないために」

●●を摂取すると風邪の罹患期間が短くなる? くしゃみ・鼻水が和らぐ?

文=小谷寿美子/薬剤師
●●を摂取すると風邪の罹患期間が短くなる? くしゃみ・鼻水が和らぐ?の画像1「Gettyimages」より

 風邪にはビタミンCが効くと、なんとなく思っている人は多いのではないでしょうか?親から聞いたり、雑誌やインターネットで情報を見たりして、そのように思っている人が多いようです。そこで薬剤師である私は、ビタミンCドリンクを売りまくっていました。「トップセールスの小谷」は、みなさんがなんとなく思っている情報を利用してつくられていたものだったのです。それはもう過去の話です。今回は、風邪の治癒にビタミンCが効くのかを検証してみたいと思います。

さらば風邪薬!―ビタミンCで風邪を追放

「風邪にはビタミンC」という説をさかのぼると、ライナス・ポーリング博士の1971年の論文にたどり着きます。同年にはポーリング博士の著書『さらば風邪薬!―ビタミンCで風邪を追放』(講談社)が出版され、これにより一般の人々に知れ渡るようになりました。同年生まれの方は今年47歳で、その親世代は70歳代でしょうか。時代からして、親から聞いたというのは納得できるでしょう。

 そして時代は進み、2007年に『コクラン・レビュー』というものが出ました。レビューというのは、さまざまな論文を検証してまとめたものです。これによると、ビタミンCを1日200mg取っていた人と、そうではない人で、風邪にかかるリスクは変わりませんでした。しかし、過酷な環境にある人(マラソンランナー、スキーヤー、兵士)が1日250~1000mg量のビタミンCを予防的にとると、取っていない人と比べて風邪の発症率が50%下がりました。つまり一般の人々では、ビタミンCを毎日予防的に取ったからといって風邪の予防はできないのです。

 しかし、続きがあります。風邪をひいている期間についても検証されました。予防的にビタミンCを取っていると、風邪罹患期間が大人で8%、小児で14%短縮されました。しかし、風邪をひいてからビタミンCを取っても罹患期間は短縮されず、症状が軽くなるということもありませんでした。

 風邪の期間を短くすることは、とても重要なことです。お子さんをお持ちの方なら、風邪の期間を短くすることで、看病のために仕事を休む日を減らすことができます。

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

Twitter:@kotanisumiko

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