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音楽教室、「JASRAC管理曲外し」が加速か

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最大の危惧は、学習教材用の楽曲を自由に選択できなくなること


 著作権料が徴収される場合、なんらかのかたちで受講者側にデメリットが生じるのだろうか。月謝やカリキュラムの変化について予測されることを聞いた。

「事業者にもよりますが、月謝の増額というかたちでお客様にご負担いただくことも十分考えられますし、JASRACとの契約を回避したり、使用料を極力少額にするために、JASRAC管理曲をレッスンから外す動きが間違いなく始まるでしょう」(同)

 さらには、「学習教材として扱う楽曲を自由に選択できなくなることこそ、私たちが最も危惧している点なのです」と続ける。

「子供のピアノ教室を例に考えると、伝統的な教材である『バイエル』『ツェルニー』『ブルグミュラー』『ソナチネ』などは作者の死後50年を経ており、また日本で最も人気のピアノ教材『ぴあのどりーむ』はJASRACの管理対象外であるため、どれも徴収対象とはなりません。徴収対象外の教材が多く存在する以上、指導者本人や生徒の経済的負担を軽減する意味でも、そちらが選ばれる傾向が強くなるのは明らかです。

 そうした場合、まず大きなダメージを受けるのは、学習教材に楽曲提供をしている現代の作曲家です。楽曲がテキストに掲載されることで著作権使用料が発生し、そのうち一部が著作権料として権利者へと分配されるのですが、音楽教室で使用するテキストからJASRAC管理曲が外されることで、その著作権料にも少なからず影響があるでしょう。作家の方々からはそれを懸念する声も多く聞こえてきています。

 また、現場でも人気の高いアニメや映画の主題歌がレッスンに使用されなくなることで、子供たちのモチベーションはもちろん、楽譜の売り上げにも大きな影響が出ると考えられます」(同)

音楽教育の根を腐らせてしまう危険性


 音楽教室からの著作権料徴収が及ぼす影響は、音楽教室内だけでは留まらないようだ。

「音楽教室からの著作権料徴収により使用される楽曲が制限され、楽曲が広まる機会が失われるなど、音楽文化の衰退につながる社会的影響が懸念されます。また、次に直面する問題は、今後民間の学校や専門学校でも大きな問題となる可能性です。演奏権の及ぶ範囲が拡大していけば、教育現場の講師や生徒の演奏が徴収対象となることも充分にあり得るでしょう。

 私たちは音楽を楽しんだり、自ら学習できるための基礎教育に大きく貢献していると自負しておりますが、今回のJASRACの方針が我々の経営にダメージを与え、音楽教育の根を腐らせてしまうことをJASRACが理解していないのが残念です。

 先日の文化庁長官の裁定を受けて『JASRACの徴収を認める』という報道がされたことで、私たちが裁判で敗訴したかのような印象を持たれた方もいらっしゃるかと思いますが、裁判は継続中であり、音楽教室のレッスンに演奏権が及ぶかどうかは現状未確定です。音楽教室を受講される皆様に今後も安心して受講していただけるよう、裁判では我々の考えを繰り返し主張してまいります」(同)

 音楽を守るための著作権によって、結果的に音楽の未来を閉ざしてしまうようなことがあってはならない。どのようなかたちで決着がつくにしても、音楽教育が楽しいものであり続けるよう願いたいものだ。
(文・取材=A4studio)

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