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『正義のセ』に潜む3つの不安…『HERO』が巧妙に避けていた「矛盾」とは

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正義のセ|日本テレビ - 日テレ」より
 年度はじめの春らしい新米検事の奮闘劇、わかりやすい勧善懲悪ストーリー、仕事と恋の両立を目指すアラサー女性など、王道の要素が多い『正義のセ』(日本テレビ系)。バラエティが好調な日本テレビとしては、「今作なら、ドラマも高視聴率を獲得できるのではないか」と考えていたのは間違いない。


 ところが、平均視聴率は初回が11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の好スタートながら、2話で9.9%と早くも1ケタ台に転落。視聴率以上に気になるのは、視聴者や識者から辛辣な声があがっていることだ。

 なかでも多かったのは、「吉高由里子の見た目と話し方が検事に見えない」という声。しかし、それ以上に今後が不安視される要素が、当作には潜んでいる。

失敗する姿を描けない、検事ドラマの難点


 真っ先に挙げられるのが、検事を主人公に据えたドラマの難しさ。

 検事が主人公のドラマで、みなさんがパッと思い浮かぶのは、木村拓哉主演の『HERO』(フジテレビ系)ではないか。中高年層なら、フランキー堺、橋爪功、中村梅雀主演の『赤かぶ検事奮戦記』シリーズ(テレビ朝日系、TBS系)かもしれない。つまり、「それほど検事のドラマは少ない」のだ。

 検事は法廷で対峙する弁護士も含め、ほかの職業よりも失敗シーンを描くことが許されない職業。法務省のホームページには、「検事は、被害者の権利を保護するため、犯人を適正に処罰してその更生を促すため、そして社会の安全を守るため、日々困難な事件に取り組んでいます」と書かれている。

 これは裏を返せば、検事が失敗したら「被害者の権利を保護できず、犯人の適正な処罰や更生がなされず、社会の安全が守れない」ということ。そんなネガティブキャンペーンのようなドラマは、あってはならないのだ。

 そのため、吉高が演じる竹村凜々子が新米検事だからといって、「未熟だからミスしてしまった」という展開は許されない。それこそ、関係機関から「即刻訂正を求める」「すぐに打ち切ってもらいたい」と抗議が届くだろう。

 これは、「新米が失敗で落ち込み、周囲の助けや自分の努力で成功を勝ち取る」というヒューマン要素が描けないということ。実際、凜々子は新米であるにもかかわらず、さしたる失敗はなく、初回から成功ばかりが描かれている。

 主人公が正義一辺倒のキャラに偏りがちな上に、毎回判で押したような成功エピソードばかり。深さや意外性が望めないから、検事が主人公のドラマはあまりつくられないのだ。

「恋愛で未熟、検事として成熟」の矛盾


 吉高が演じる“新米検事”を描く弊害は、もうひとつある。若い女性検事を主人公に据えることで必然的に恋愛エピソードがついてくるのだが、そこの辻褄を合わせるのが難しい。

 たとえば、「恋愛で精神的な未熟さを出しているのに、仕事になったとたんに成熟した振る舞いをしている」というヒロインに、視聴者は納得できないだろう。ヒロインがほかの職業の作品は「恋愛を仕事に引きずって失敗してしまう」というシーンをよく描くが、前述した通り検事にはそれが許されない。

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