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スルガ銀行、経営破綻も取り沙汰…不正横行の疑いで金融庁が検査、異常融資で自殺者も

文=編集部

 スルガ銀行は、個人取引に特化した独自のビジネスモデルで5期連続最高益を上げてきた地銀の優等生だ。2017年9月中間期決算の業務純益(一般企業の営業利益に相当)は331億円。地銀64行のなかで、横浜銀行の420億円、千葉銀行の370億円に次いで堂々の第3位である。森信親金融庁長官が「地銀のモデル銀行」としてお墨付きを与えたのは、好業績が背景にあった。

 法人向けから個人向け融資に特化。近年はカードローンに注力し、住宅ローンやアパート建築などの不動産融資との二本立てで荒稼ぎした結果、個人向けの貸し出し比率が9割を超えた。

つまり、ほとんどが個人向け融資の一本足打法なのだ。そして、とうとうシェアハウス向けの、高金利のフリーローンを組み合せた個人向け融資でつまづいた。

「フリーローンの金利は年7.5%以上だったし、中古のマンションの一棟買いの場合は年4%台。超低金利時代に4%台の金利はかなり高い」(前出の金融アナリスト)

「個人向け融資に業務停止命令が出れば、業務のほとんどが個人向け融資なので、何も仕事ができなくなってしまう。一気に経営がガタガタになる可能性がある。こうなると、もはや、岡野CEOが残る、残らないは関係がない。踏み込み過ぎれば、経営破綻もありうる。金融庁に、その引き金を引く勇気があるのか」(関東地区の有力地銀の首脳)

 株価は下落の一途だ。1月10日の年初来高値2569円から、4月19日には13年以来、5年ぶりに1200円まで下げ、半値以下に崩落した。

「業務停止命令を出す場合は、その後の再編相手を想定しておかなければならない局面に入った」(前出の地銀首脳)。

 静岡県はスルガ銀行以外に、静岡銀行、清水銀行と3つの地銀があるオーバーバンキング地帯である。かぼちゃの馬車の経営破綻が、中部地区の地銀、第二地銀の再編の起爆剤になる可能性が出てきた。

 スルガ銀行の米山明広社長は明治大学工学部卒。17人抜きの大抜擢で16年に社長になった。「ICT(情報通信技術)に詳しいということで白羽の矢が立った」(同行元幹部)“傀儡”である。

 スルガ銀行を「地銀のモデル」と持ち上げた森長官は、今夏での退任が濃厚だ。その最後の仕事がスルガ銀行の処理になるかもしれないのは運命の皮肉である。

 投資トラブルが浮上したのが今年1月後半。それから3カ月以上経過しても、同行は一度も記者会見を開いていない。

 18年3月期決算の発表を5月10日から15日に延期した。この日までに何か決まるのだろうか。3月期決算で数百億円規模の損失を計上するが、業績の下方修正だけで済むのか。

 ムーディーズ・ジャパンは4月25日、スルガ銀行の格付けを格下げする方向で見直すと発表した。現在、同行の長期預金格付けは上から7番目のA3に格付けされている。

BusinessJournal編集部

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