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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

月給手取り18万、あっという間に借金20万…カード貧乏をやめれば貯金が増える!

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

「1回くらい」「2万円くらい」カードで払って大丈夫。一度油断すると、それが4万円、6万円、10万円、15万円、20万円と増えていくのは、とっても簡単、あっという間だ。「私は大丈夫」と自分を過信してはいけない。大丈夫な人など、この世にいない。

 なので、新社会人として最初に心がけるべきは、「クレジットカードを使わない」だ。これが健全なお金との付き合い方の一歩。基本の基本だ。

おすすめはデビットカード

 でも、カードでの支払いができないと不便だ。ネットや通販での買い物は、受取人払いができることもあるが、手数料がかかる。在宅していないと受け取れない。数万円、10万円以上の買い物をするのに、現金を持ち歩くのもぶっそうだ。

 そこで、おすすめなのが「デビットカード」。形も使い方もクレジットカードとそっくり。違いは、デビットカードで買い物をするとリアルタイムで代金があなたの銀行口座から引き落とされること。口座残高が2万円のときに3万円の買い物をしようとしても、残高不足で支払えない。カードは使えない。不便に思えるが、これが安全網。赤字に陥らないありがたい仕組みだ。
 
 現金をATMで引き出して買い物しようとすると、曜日や時間帯、使うATMによっては引き出し手数料がかかるが、デビットだと日曜でも早朝や深夜でも手数料がかからないからうれしい。

デビットカードの主流はVisa Debit

 
 アメリカでは、銀行のキャッシュカードにDebit機能がついているのが普通。10年ほど前から クレジットカードを解約して、Debit Cardだけに切り替える人が増えているのは、上手にDebt Control するため、クレジットカードで借金を負わないためだ。

 日本の多くの銀行のキャッシュカードにも、実はJ-Debit というデビット機能がついている。ところが手数料が高かったらしく、J-Debit 加盟店、つまりJ-Debit が使えるお店が増えなかった。はがゆく思っていたら、登場したのがVisa Debit。Visa Card の加盟店でクレジットカードと同様に使える。ということは、アマゾンをはじめ、ほとんどの通販サイトでも使えるということだ。

 クレジットカードを申し込むと、職業や収入、過去の延滞(クレジットカードの支払いが遅れたり、全額払わなかったこと)の記録が調べられ、安定した収入がないと発行が断られることがある。私も転職後すぐに申し込んだカードが断られ、屈辱感を味わった。でも、デビットカードは原則15歳以上で銀行口座を持っていれば、無条件で発行される。

 2006年にスルガ銀行が日本で初めてVisa Debitを発行。スルガ銀行に口座を持つ必要があるので、普及はいまいちだったが、その後、楽天銀行、ジャパネット銀行などがデビットカードを発行、13年にはメガバンクの三菱東京UFJ銀行が発行し、17年までにはすべてのメガバンクがデビットカードを発行、信託銀行や地銀も続いている。

 Visa Debit が主流だが、みずほ銀行などはJCB Debit を発行。国内ではVisa と遜色なく使える。キャッシュカード一体型(ソニー銀行など)と、キャッシュカードとは別にデビットカードを発行する銀行(メガバンクなど)の2タイプがある。中には海外で使えるデビットカードもあり優秀だ。

もちろん、車のローン、消費者ローン、カードローン、エステローンも借りない

 デビットカードの健全さ、クレジットカードの危険性を語っても、「でも、ポイントがたくさんつくから、クレジットカードのほうが得でしょ」と考える人も多い。なぜ、クレジットカードを使うとポイントが多くつくか。カード会社が儲かるからだ。加盟店の手数料でも儲かるが、いちばん儲かるのは、利用者が代金をリボ払い形式で払うときの「利息」。

 リボ払いについては別の機会に話すが、預金金利がほぼゼロ、住宅ローン金利が1%以下の2018年現在、リボ払いの金利はなんと15%もする。考えるだけで頭がくらくらする。

「どうしてもクレジットカードで払わなくてはいけないときは、一回払いで」と勧めているが、不意の出費などで苦しくなり、「あとからリボ」(当初は一括払いを選んだが、後からリボ払いに変更する)を使う人があとを絶たない。リボ払いだと気づかず、15%の利息がかかっていることを知らないまま、何年も使い続けている人もいる。あなたは、その罠にはまらないでほしい。

 もちろん、クレジットカード以外のカードローン、車のローン、消費者ローン、エステローンなども借りてはいけない。毎月借金の返済があると、貯金ができない(考えてみてほしい、月3万円、借金を返しながら貯金できる?)。貯金がないと、まとまった出費でまた借金をしてしまう。そして、どんどん借金が膨らみ、身動きが取れなくなってしまうのだ。あなたは、その罠にはまらないでほしい。

 新社会人。必要なものがたくさんある。欲しいものがたくさんある。勉強したいことがたくさんある。行きたい場所がたくさんある。しかし、すべては収入の範囲で、そしてお金を貯めてからにする。これが本当の大人の作法。この当たり前のことを身に付け、自分の欲望をコントロールできるようになったら、あなたのこれからの10年、20年、30年、50年、マネーライフはバラ色です。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

※個人のお金の悩みに回答する「FP相談」を承っています。FP相談、および本記事に対するお問い合わせはこちらへ。新社会人からのお金の質問、悩み相談も受け付けています。  

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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