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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

ゆとりある老後、年金プラス月額12.8万円必要?「ねんきん定期便」で老後不足額がわかる

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

50歳以上の人は何歳から老齢年金を受け取れるか目安がわかる

 また、ねんきん定期便は、50歳未満と50歳以上では記載内容が異なる。50歳未満は、これまでの加入記録と、それをもとにした年金の見込額が記載され、50歳以上は現在加入している公的年金に、60歳まで同条件で加入し続けたものと仮定した上で計算した老齢年金の見込額が記載されている。

 つまり、50歳以上は、50歳未満に比べて、ねんきん定期便でより現実に近い金額が確認できるというわけだ。

 以下の図表は、50歳以上のねんきん定期便に記載されている「2.老齢年金の種類と見込額(1年間の受取見込額)」を抜粋したものである。

 たとえば、夫婦それぞれのねんきん定期便を確認しながら、何歳から、いくら年金が受け取れるか書き出してみると、世帯全体の年金収入を把握することができるだろう。

ゆとりある老後、年金プラス月額12.8万円必要?「ねんきん定期便」で老後不足額がわかるの画像3【図表】「ねんきん定期便」から受け取れる年金を書き出してみる(※出所:「今からはじめるリタイアメントプランニング~50代から考えるセカンドライフ」日本FP協会)

「ねんきんネット」でもっと手軽に年金記録を確認できる

 このようにねんきん定期便は、自分の公的年金の加入状況等が把握できる大切な資料ではあるが、もっと手軽に、同じような情報をリアルタイムに確認できる方法がある。日本年金機構が平成23年から開設している「ねんきんネット」だ。

 利用する場合は、「ねんきん定期便」に記載されたアクセスキーを使ってログインし、パスワードを設定すれば利用できる。自宅のパソコンやスマートフォンはもちろん、年金事務所や一部の市区町村、郵便局の窓口等でもアクセスできるという。

 ねんきんネットのメリットは、

・24時間いつでも最新の年金情報を確認できる
・「私の履歴整理表」で、自身の年金記録に「漏れ」や「誤り」がないか確認できる
・氏名、生年月日等で、持ち主不明の年金記録を検索できる(持ち主不明記録検索サービス)
・ライフプランに合わせた年金見込額のシミュレーションができる(年金見込額試算サービス)
・年金の支払いに関する通知書をパソコンで確認できる
・年金請求書などの届書をパソコンで作成・印刷できる

などなど。開設当初よりも、徐々に機能が充実してきた感がある。そのためか、平成27年2月にはユーザーID発行件数が350万件を突破したという。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

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