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東京都が税金1400億円をドブに捨てた新銀行東京、合併直後にシステム障害で大惨事

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新銀行東京は石原慎太郎元都知事の“負の遺産”

 きらぼし銀行誕生で、官製銀行の新銀行東京の行名が消えた。

 新銀行東京は石原慎太郎東京都知事(当時)の肝いりで発足したことから、“石原銀行”と揶揄された。石原氏は03年、東京発の金融改革を旗印に掲げ、「資金調達に悩む中小企業を救済する」ための新銀行構想を打ち出した。04年、東京都はBNPパリバ信託銀行を買収し、新銀行東京に衣替え。05年に開業した。

 ところが、開業わずか3年で1000億円近い累積赤字を抱え事実上、経営が破綻した。08年4月、東京都が400億円の公的資金を投下し、事業を存続。この出資金で累積赤字を消した。

 400億円の追加出資には都民からの批判が強かった。予算を審議した都議会は「これ(400億円)を毀損させない」との付帯決議で求め、石原氏は謝罪に追い込まれた。

 都は計1400億円を出資したが、公的資金は赤字の穴埋めに消え、ドブに捨てたも同然だった。そもそも自治体が銀行経営に手を出したことが根本的な誤りといえる。

 都内の市民団体から、「設立を主導した石原元知事や銀行役員ら5人に1250億円を賠償させるよう」都に求めた住民訴訟が起きた。東京地裁は16年3月、請求を棄却した。銀行事業は石原氏の最大の汚点となった。

 舛添要一知事時代に都は銀行事業の出口を探ってきた。

 そこで都は新銀行東京を、東京都民銀行と八千代銀行を傘下に持つ東京TYフィナンシャルグループ(現東京きらぼしFG)と経営統合させることにした。16年4月1日、新銀行東京は株式交換方式で東京TYの完全子会社となった。都が保有する新銀行東京の優先株は東京TYが新たに発行した優先株と交換され、この結果、都は400億円の追加出資金の毀損をなんとか免れた。

 新銀行東京は東京TY傘下に入り、東京都は株式交換で東京TY株を取得した。東京都の持株比率は3.90%で、第3位の大株主である。

 東京都の指定金融機関はみずほ銀行だが、今後、制度融資などで東京TYが優先的に扱われるケースが増えてくることが期待された。東京TYが事実上、経営破綻した新銀行東京に救いの手を差し伸べたのは、こうした計算があったからだろう。

 きらぼし銀行にとって東京都と取引できることは、システム統合のリスクよりも、はるかに大きなメリットになる。5月1日の発足式典で味岡桂三社長は「統合は目的ではなく、地銀としての存在感を高めるためのプロセス」と力強く宣言した。

 この賭けは吉と出るか、それとも凶と出るのか――。懸念されていたシステム障害が、初日に発生した。前途多難の船出というしかない。
(文=編集部)

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