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伊調馨パワハラ告発、裏にレスリング協会内クーデターと「至学館潰し」か

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写真:AFP/アフロ

 元日本レスリング協会強化本部長の栄和人氏(57)が五輪4連覇の伊調馨選手(33)に対しパワハラをしたとされる問題で、日本レスリング協会の第三者委員会(弁護士3人で構成)は4月6日、一部のパワハラはあったと認定。栄氏は同日、強化本部長職の辞表を提出、受け入れられた。

 協会の福田富昭会長は「伊調選手や関係するコーチ、関係者に深くお詫びする」などと謝罪したが、「辞表を叩きつけて真相をぶちまけたいけど、そんなことしても協会にプラスにならないし、栄さんも我慢している」と語るある協会幹部は、こう打ち明ける。

「栄さんのパワハラ告発記事を発売前に見た谷岡(郁子・協会副会長)さんは、パパっと携帯電話で撮影し、福田会長もさっと見て『一つも当たっていない』と漏らすだけで、済ませてしまった。その時点で協会が記事をよく検証して理詰めに反論しなかったのが失敗だった」

 谷岡氏は3月に会見で、「栄氏には(パワハラする)パワーがない」「伊調さんは東京五輪を目指しているのですか」「そもそも選手なんですか」と発言し、批判を浴びた。あるレスリング関係者は言う。

「協会関係者のなかには、伊調選手と告発に協力したとされる田南部力コーチは、指導者と選手を超えた関係にしか見えなかったという声もある。もちろん真相はどうかはわかりませんが、そうした噂を耳にした栄氏が、すでに自分の手元を離れた国民的ヒロインの伊調選手が変なスキャンダルに巻き込まれることを心配し、彼女に再三注意していたが聞く耳を持ってもらえなかったようです。田南部さんには妻子がいる身ですので」

 第三者委員会の調査で認定された栄氏によるパワハラは、2010年の日本代表の合宿中に「よく俺の前でレスリングができるな」と言ったことや、15年には田南部氏を罵倒したことなどが挙げられている。しかし、告発状にあった、栄氏が練習先の伊調選手の警視庁への出入りを禁じたとされる点は認定されなかった。

レスリング協会内の権力争い


「今回の騒動は、栄氏と伊調選手のことを利用した、クーデターですよ」とある協会関係者は怒りを込める。

「栄氏が監督を務める至学館大学レスリング部を潰し、東京五輪に向けて日本体育大学が女子レスリング界の覇権を奪おうとしている。そこに専修大学も絡むラインです。パワハラ告発書の作成に関わったのは、現役時代に栄氏とも戦った五輪選手でレスリング指導者の安達巧氏。日体大の監督時代、部員の不祥事で辞任した過去がある。そのバックにいるのがソウル五輪金メダリストで専修大学教授の佐藤満氏で、さらに後ろで操っているのは馳浩文科副大臣、そして協会副会長の松浪健四郎氏だといわれています」

 元衆院議員の松浪氏は現在、日体大理事長。かつて国会で野党議員にコップの水をぶちまけるほど感情が表に出やすい松浪氏は、今回の騒動で沈黙を保っている。馳氏は専修大学出身の元プロレスラーの現職国会議員。「ガバナンスの問題」などと静観を装うが、内閣府が選ぶ国民栄誉賞を受賞している伊調選手を守っているのか。

 いずれにせよ、東京五輪が2年後に迫るなか、レスリング界は身内同士の足の引っ張り合いに時間を費やしている余裕はない。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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