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総合商社、空前の高利益を謳歌…三菱商事、巨額赤字→たった2年で過去最高益達成

文=編集部
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 非資源に強い伊藤忠商事の純利益は4003億円。2年連続で過去最高を更新したものの、三井物産の利益の伸びに及ばなかった。18年3月期の純利益を押し上げたのは、皮肉なことに金属部門だった。鉄鉱石や石炭価格の上昇により、金属部門の純利益は825億円と部門別でもっとも稼いだ。

 非資源部門を一段と強化するため、持分法適用会社だったユニー・ファミリーマートホールディングスを子会社にする。今年8月ごろに株式公開買い付け(TOB)を実施し、出資比率を41.5%から50.1%に引き上げる。買い付け総額は1203億円となる見込み。ユニファミマを連結決算に取り込むことから、19年3月期の純利益は4500億円を計画。三井物産と激しい2位争いをすることになる。

 住友商事の純利益は3085億円。ボリビアの銀・亜鉛・鉛事業や北米の銅管事業の採算が向上した。金属資源を含む資源・化学部門の純利益は785億円。前期の赤字から急回復した。不動産事業が好調なメディア・生活関連部門(935億円)の利益貢献が大きかった。19年3月期の純利益は3200億円の見込み。

 丸紅の純利益は2112億円と過去最高を更新した。豪州の石炭事業やチリの銅事業が増益になった。非資源分野では、米国の農業資材の販売が好調だ。19年3月期の純利益は2300億円を予想している。

事業投資モデルへの転換進む

 総合商社は1990年代の「冬の時代」を乗り越え、事業投資に力点を置くようになった。石油や天然ガスなどエネルギー資源、鉄鉱石や銅などの金属資源の開発事業で収益を得たり、資源そのものを売買して収益を稼ぐ。

 2000年代以降、中国の急速な経済成長で資源需要が高まり、総合商社は資源への投資で大きな利益をあげた。08年のリーマン・ショックで日本の産業界が瀕死の重症を負うなかで、総合商社は「我が世の春」を謳歌した。

 しかし、中国の景気減速で資源価格が下落。16年3月期には、資源分野の比率が高かった三菱商事は1493億円の純損失、三井物産も834億円の純損失を計上。両社とも創業以来初めての最終赤字に転落した。これに対して繊維や食品など非資源分野に強い伊藤忠商事は2403億円の純利益をあげ、初の業界首位となった。

 それから2年。資源価格が回復し、従来の順位に戻った。とはいっても、資源は中国の景気に左右されるため、各社とも非資源分野の強化を進めている。

 5月14日終値時点の時価総額は、1位は三菱商事の5兆246億円、2位が三井物産の3兆4315億円、3位が伊藤忠商事の3兆3773億円、4位が住友商事の2兆4042億円、5位が丸紅の1兆5090億円。

 三菱商事が他社を大きく引き離し独走状態だ。三井物産と伊藤忠商事がデッドヒートを繰り広げ、2位になったり3位になったりしている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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