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『あなたには帰る家がある』木村多江の狂気の演技に戦慄…視聴率も急上昇!

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 中谷美紀主演の連続テレビドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS系)の第8話が1日に放送される。直木賞作家の山本文緒が1994年に著した同名の小説をもとに、大河ドラマ『花燃ゆ』や『1リットルの涙』などを手掛けた大島里美が脚本を手掛けるこのドラマは、2組の夫婦が繰り広げる愛憎劇を描く作品だ。

 愛憎劇と聞くと、なんだか大層な印象を受けるが、要は不倫がテーマになっている。とは言っても、不倫そのものは序盤ですぐに終結し、その後は不倫がもたらすさまざまな出来事を通して夫婦の姿を描く内容だ。

 平均視聴率は、初回に記録した9.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)が最高で、決して高くはないものの、2組の夫婦を演じる中谷、玉木宏、木村多江、ユースケ・サンタマリアの4人の演技がそれぞれ光っており、ドラマファンからの評判は決して悪くない。第7話は、前回から1.1ポイントアップの9.0%を記録した。第8話の放送を前に、第7話の内容をおさらいしておこう。

 自らの浮気が原因で、妻の真弓(中谷)からとうとう離婚を宣言されてしまった佐藤秀明(玉木)。さっぱりした表情の真弓とは対照的に、秀明はなかなか決心がつかずにいた。一方、秀明のことが好きでたまらない茄子田綾子(木村)も、夫の太郎(ユースケ)に離婚届へのサインを迫っていた。

 離婚への準備が進むなか、秀明は真弓と娘の麗奈(桜田ひより)にマンションを渡し、アパートを借りてひとり暮らしをすることになった。がらんとした部屋で秀明がしばしの開放感にひたっていると、チャイムが鳴る。ドアを開けるとそこには、綾子がうれしそうな顔で立っていた……という展開だった。

 秀明は自分の浮気がもたらした影響をいやというほど実感しており、浮気も綾子もこりごりな様子。離婚するから晴れて綾子と付き合おう、という気分になれるはずもなく、綾子を帰らせようとするのだが、綾子は「家を出てきたから帰れない」と言い張る。

 まったく人の話を聞かずにぐいぐい迫る綾子と、心底困り果てた様子の秀明の対比はとてもいい。教えてもいないのに借りたばかりのアパートを訪ねてきて、「これでやっと一緒にいられるね」とにっこり笑う綾子は完全におかしい人なのだが、その表情は本当に楽しそうで、秀明と一緒に暮らせる(と信じ込んだ)喜びに満ちあふれている。太郎との夫婦生活ではずっと表情が乏しかったが、秀明の前では花が咲いたような明るい表情を浮かべ、よく笑う。どちらが本当の綾子なのか、得体のしれない怖さを感じる木村の演技も素晴らしい。

 木村演じる綾子のターンはまだまだ続く。「もう(関係は)終わったじゃないですか」と言われても動じず、「終わりを決めるのは秀明さんじゃない」と怖すぎる一言。秀明は完全に振り回されっぱなしである。

 話し合いではらちがあかないと見た秀明は、無理やり綾子を部屋の外に追い出すが、彼女はそれでもめげることなく「また来るね」とにっこり笑ってその場を去った。さっきから「怖い」しか書いていないが、これは本当に怖い。何を言っても通じないどころか、堂々とストーカー宣言されてしまったのである。

 玉木のうろたえぶりも秀逸だ。妻には言いたいことを何も言えず、会社での成績も悪く、浮気した相手に付きまとわれても何もできないヘタレな中年男をユーモアたっぷりに演じている。浮気したのだから役柄的には悪い男なのだが、人間味があって意外と憎めない。むしろ、どうしてもギスギスした話になってしまいがちなこのドラマにおいて、玉木の存在がある意味、癒しになっている側面もある。

 さて、真弓と秀明の離婚届はとうとう役所に受理され、離婚が成立した。真弓はその前の晩、秀明を呼び出して最後の感謝の言葉を述べた。今までは文句と小言ばかり言ってきたが、別れることになって、夫にいかに守られていたのかに気付いたのだという。だからといって離婚撤回とはならなかったが、ようやく胸のつかえが取れた気分だ。

 それは、秀明が浮気する前から真弓の秀明への態度はひどかったからだ。第7話でも偉そうな物言いやバカにしたような態度が目立ち、さすがにそれはないんじゃないのかと感じるほど不快だった。「夫に対する真弓の態度が悪い問題」は序盤からずっと視聴者の間で話題になっており、「これでは夫が浮気に走っても仕方がない」との声まであった。離婚がきっかけとはいえ、秀明への感謝の心が芽生えたことが、この後のストーリーにどう関係してくるのだろうか。

 予告によれば、第8話は秀明と真弓の娘である麗奈がクローズアップされる回になるようだ。ただ、麗奈の話はこのドラマの本筋ではないし、仮に離婚した2人が娘のために復縁するような展開になれば興ざめである。秀明と綾子がくっ付くかくっ付かないかの話も、だらだら続けても飽きてしまう。このあたりをどううまく整理して見せてくれるのかに期待したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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