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中西・日立会長、安倍首相を批判…企業への賃上げ介入に「賃金は労使で決めるもの」と不快感

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 榊原氏の前任の米倉弘昌氏は、安倍首相に「あなたは経済オンチだ」と正論を吐き、完全に干された過去がある。安倍首相に付き従う榊原氏は、経済財政諮問会議のメンバーに復帰。政府が連発する有識者会議の常連となったが、これはとりもなおさず安倍首相が「イエスマン」だけをメンバーに選んだからにすぎない。

 法人税の実効税率を34.62%から29.74%へと大幅に引き下げさせたことは、榊原氏の手柄といえるかもしれない。これによって、日本企業の国際競争力は高まったという側面はある。

中西宏明・新会長は「政権に物申す会長になる」と宣言


 英国の原発事業を“人質”に取られている中西宏明氏はどうだろうか。

 経団連は5月31日、定時総会を開き、第14代会長に日立製作所の中西宏明会長を選任した。任期は2期4年。榊原氏ほどひどくないだろうが、経団連会長が“財界総理”と呼ばれた頃の力を取り戻すことはないとの意見が大勢を占める。時代が違ううえ、政治献金が振り込みになった影響を指摘する向きもある。風呂敷に包んだ現ナマを直接、政治家に渡さなければ迫力に欠ける。

 中西氏は「時として政府・与党に対し忌憚(きたん)なく物申す『提案型』会長で職責を果たしたい」と抱負を述べた。協調路線は維持しながらも、安倍政権に苦言を呈す「是々非々」の姿勢を示した。

 さらに、「国だけで国際関係がつくれる時代ではない」と指摘。「これまでとは次元の異なる民間外交を通じ国際社会での発信力、発言力を高めたい」とした。

 総会後の記者会見で中西氏は「賃金は労使で決めるもの。成果を出した人が報われる仕組みをもっと議論したい」と持論を展開。5年続いた「官製春闘」への距離感を滲ませた。

 会長に就任する前から、安倍首相が2018年春闘で求めた3%の賃上げ率に対して「本質的な賃上げを議論せずに、(政権から賃上げ目標の)数字がポッと出てくることには違和感がある」と述べてきた。働き手の意欲につながる賃上げが必要だと考えている。

 政府が賃上げを主導する官製春闘に対する経団連のスタンスが変わるかが注目点だ。

“安倍人事”に懸念事項


 国際協力銀行の総裁に、前田匡史副総裁が6月末に昇格する。同氏は、安倍内閣が成長戦略に掲げるインフラ(社会基盤)輸出の“旗振り役”となっている。前田氏の総裁就任により、JR東海の新幹線やリニア新幹線、原子力発電所など海外の大型案件の受注が加速する。協力銀が多額の融資を行うためだ。

 だが、おそらく前田氏が総裁を辞めた後には、こうしたプラント輸出の巨額のツケ(赤字)を税金で穴埋めする事態になることが懸念される。
(文=編集部)

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