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老舗・任天堂、Cygamesと提携で貪欲にノウハウ吸収…スマホゲーム世界進出へ執念

文・取材=A4studio
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 なぜSwitchが大ヒットしている今、こんな事業展開をするのかといえば、任天堂はかつて家庭用ゲーム機Wiiで、苦い経験をしているからなんです。Wiiは発売からしばらくは爆発的な人気となっていたものの、3年もたつと見向きもされなくなってしまったという経験を持っており、その教訓を活かそうとしているのでしょう。また、ニンテンドー3DSなどの携帯ゲーム市場が世界的に萎んでしまっていることもあるため、Switchが好評だからといって浮かれていられないと、冷静さを保っているのだと思います。任天堂は“据置ゲームの会社です”と名乗っていますが、その言葉を一番信じていないのは、ほかならぬ任天堂自身ということです。

 任天堂はこれまでもディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで『スーパーマリオラン』『ファイアーエムブレム ヒーローズ』などのスマホゲームをリリースしており、すでに数百億円にも達する市場規模を築いています。しかし任天堂としては、その数字でも足りない、スマホゲーム事業の目標は1000億円だ、と言っているのです。そうなるとDeNAとの協業だけでは限界があるため、DeNAとは異なるノウハウを持つCygamesと業務提携したということでしょう。そう考えると、むしろこのタイミングでCygamesと手を組んだことは大いに納得できます」(多根氏)

現地の声に耳を傾け、スマホゲーム海外展開を成功させたCygames

 任天堂がCygamesに求めるノウハウとは、一体どのようなものだろうか。

「スマホゲームを海外展開させるノウハウです。というのも、DeNAを含む国産スマホゲームの会社がことごとく海外展開に失敗しているなか、Cygamesは海外展開を成功させた数少ない会社となっているのです。代表作である『神撃のバハムート』は2012年に海外展開して以来今でも人気を博していますし、過去には北米のアプリゲーム市場で1位を獲得しています。もっとも、任天堂とDeNAが共同で開発した『ファイアーエムブレム ヒーローズ』も北米で成功を収めていますが、やはり『ファイアーエムブレム』シリーズというコンテンツ自体の人気による部分は否めません。

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