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パーム油の危険性、米国が警鐘…食品業界、トランス脂肪酸低減の代替品に使用

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「Gettyimages」より

 その危険性がしばしば取り沙汰される食品成分に、「トランス脂肪酸」が挙げられるだろう。

 トランス脂肪酸を含む食品として、よく知られているのはマーガリンだ。マーガリンは大豆油や菜種油、コーン油などを主原料としているが、いずれの油も、常温では液化している。これらを硬化させ、マーガリンならではの口当たりや風味を実現するためには「部分水素添加油脂」を配合する必要があり、その過程で発生してしまうのがトランス脂肪酸だった。

 アメリカは部分水素添加油脂を厳しく取り締まっており、2015年6月にはFDA(アメリカ食品医薬品局)が食品への使用規制を決定。3年間の猶予期間を経て、今年6月からいよいよ規制が始まるのだ。

 一方、アメリカと違って部分水素添加油脂が規制されていない日本でも、大手食品メーカーである明治は、技術改良によって部分水素添加油脂を使わない商品製造を可能とし、家庭用マーガリンとショートニングを今年3月にリニューアルした。商品パッケージにもこだわりが見て取れ、明治は「部分水素添加油脂不使用」のロゴを表示するようにしている。

 このように、トランス脂肪酸の低減が食品業界のひとつの課題となっているわけだが、そもそもトランス脂肪酸が抱えるリスクとはなんなのか。明治に取材を申し込むとともに、加工食品ジャーナリストの中戸川貢氏に話を聞いた。

トランス脂肪酸低減への取り組み


 まず、明治ではトランス脂肪酸の危険性をどのようにとらえているのだろうか。

「トランス脂肪酸は過剰に摂取した場合、心臓病のリスクを高める可能性があるといわれており、WHO(世界保健機関)はトランス脂肪酸摂取量を、総エネルギーの1.0%未満とするよう勧告しています。ただ、日本人のトランス脂肪酸摂取量は平均0.3~0.6%と低いのが現状。日本の食品安全委員会はトランス脂肪酸について『通常の食生活では健康への影響は少ない』と発表していますし、弊社としても同様の考えです」(明治広報部)

 常識的な範囲でマーガリンやショートニングを使う分には問題ないとの見解だが、加工食品ジャーナリストの中戸川貢氏は次のように解説する。

「パン、ドーナツ、スナック菓子、ケーキ、カップ麺など、ありとあらゆる加工食品にトランス脂肪酸は含まれています。その一方で実は、牛のような反芻動物の胃の中でも微生物(バクテリア)の働きによってトランス脂肪酸がつくられますので、牛肉や牛乳を食べたり飲んだりしても、天然由来のトランス脂肪酸を摂取してしまうことになります。

 ただ、なんであれ過剰に摂取すれば病気になるというのは当たり前でしょう。トランス脂肪酸は血液中の悪玉コレステロールを増加させ、代わりに善玉コレステロールを減少させてしまいますから、心臓疾患のリスクを高めるというのは確かです。しかし今回のリニューアルでわかる通り、大手乳業メーカーは近年、トランス脂肪酸の含有量を随分と減らしています。

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