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【大阪北部地震】南海トラフ巨大地震につながる可能性も…首都直下地震との関連性は?

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南海トラフ巨大地震が発生したら国家滅亡の危機

 今月初旬、日本土木学会が首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生した場合の長期的な経済被害を「1410兆円」と推測し、詳細な報告書を発表した。土木学会の委員を務めた関西大学の河田恵昭特任教授は「会社だと赤字で倒産するが、国の場合は滅亡する。南海トラフ巨大地震のような“国難災害”が起きると、国が成り立たなくなる」と警告する。

 土木学会の大石久和会長も「これだけの経済被害が生じるとは予想もしておらず、驚きだ。今のまま巨大災害が起きたら、想像もつかないようなことになる。日本が東アジアにおける小国、最貧国のひとつにすらなりかねない。今は南海トラフ巨大地震も首都直下地震も、30年以内の発生確率が70~80%ほどになっていて、一刻の猶予も許されない時代に入っている」と強い危機感を明らかにした。今回の直下型地震が南海トラフ巨大地震の引き金となる可能性はないのか。

「可能性はあります。西日本で内陸直下型地震がいくつか起きると、続いて海溝型の南海トラフ地震が起きるというのが今までのパターンだからです。過去、日本では1944年の昭和東南海地震(M7.9)と1946年の昭和南海トラフ地震(M8.0)が起きていますが、1925年に北但馬地震(M6.8)、27年にも北丹後地震(M7.0)、43年には鳥取地震(M7.0)という内陸直下型地震が起きています。直近では2013年4月に淡路島でM6.3、最大震度6弱の地震があって、住宅2000棟が半壊。2015年2月にも徳島県南部でM5.0、最大震度5強の浅い内陸直下型地震が起きています。今回の大阪での地震も、今までのパターンと同じだと考えれば、南海トラフ地震に刻々と近づいているのは確かだと思います」(島村氏)

 もうひとつ気になるのは、このところ関東地方で地震が相次いでいることだ。果たして関東大震災級の大地震が間近に迫っているのだろうか。

「日本の地下で海溝型地震が起きるのは、関東地方と静岡県清水市の2カ所だけです。直下型地震の危険がある上に、さらに海溝型地震の危険もあるのが関東首都圏なんです。あと、熊本県から中央構造線というのが伸びていて、長野県まではわかっているのですが、そこから先は堆積物が厚くて見えません。17日に群馬県南部で起きたM4.6、最大震度5弱の地震は、この見えない中央構造線の延長上にある可能性があります。

 千葉県東方沖で起きている地震は、スロースリップ地震と呼ばれています。プレートの跳ね上がりが数秒で起きれば大地震ですが、数時間から数日以上かかって起きるのをスロースリップ地震と呼びます。このスロースリップ地震は地震計が発達するまで、つまり20年前まではあってもわからなかったのです。ところが、房総沖では5~6年に1回、スロースリップ地震が起きていることがわかりました。今まで大地震に結びついていないので、関東地方で大地震に結びつく可能性はないわけではありませんが、可能性はそんなに大きくはないと思います」(同)

 政府の地震調査委員会が、今後30年以内に70%の確率で起きると予想しているのは首都直下地震だ。推定マグニチュードは7.0。ただし、首都直下=東京直下ではない。1都7県の南関東直下を指すが、過去の地震を見ると東京、神奈川、千葉、茨城の1都3県に集中している。

 被害想定は、最悪の場合で建物全壊は61万棟、うち41万2000棟が火災で消失する。死者はおよそ2万3000人、けが人12万3000人、避難者は発生2週間で720万人に達すると想定されている。経済的損失は95兆3000億円で推計され、国の一般会計予算にほぼ匹敵する。

 大阪と同じことは、いつか必ず東京でも起きる――。そう腹をくくったほうがよさそうだ。
(文=兜森衛)

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