ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 今後30年、首都直下型地震に警戒  > 2ページ目
NEW

首都直下型地震、今後30年でいつ起きても不思議ではない状況…解説・大阪北部地震

構成=編集部
【この記事のキーワード】, ,

――2年前の熊本地震では、1回目よりも2回目に大きな地震が発生しました。どのようなメカニズムが働いたのでしょうか。

宍倉 熊本の場合、M6.5の地震が発生した2日後にM7.3が発生しましたが、最初の地震が発生した後に、一部の地震学者たちは「何かおかしいな?」と思っていました。M6に近い余震が発生したので、余震の起こり方がおかしいと。私も最初の地震の直後に取材を受けた時に、そのように発言しましたが、2日後にM7.3が発生して「やはり、こうなるのか」と受け止めました。今回の地震は余震の起こり方が小ぶりの規模で続く一般的な現象に見えるので、特別怖れる必要はないのではないかと思います。ただ、これを安心情報と捉えてほしくはありませんので、あくまで一般的な観測事実に当てはめた場合の見方にとどめておきます。

個人が取るべき対策

――被害が発生すると真っ先に焦点になるのは行政の役割です。今回は小学校のブロック塀が倒壊して女児が亡くなりました。

宍倉 地震や建築の専門家が街の中をチェックして回れば、「この建物や塀は大きな揺れに対して危険」というように、ある程度見ただけで判断できます。行政は専門家と協力して、日頃から倒壊の可能性のある個所を洗い出して、対処しておくことが求められます。

――個人が取るべき対策については、今は多くの情報を入手できますが、これだけは実行してほしいという手段はありますか。

宍倉 家の中にある棚やタンスを固定する突っ張り棒の扱い方です。突っ張り棒で棚を固定しておいたのに倒れたというケースが今回の地震でも発生しましたが、突っ張り棒は時間が経つと緩んでしまうのです。セットしたままにしておくのでなく、ときどきチェックして、緩みを直すことが必要です。また、食料品など避難に必要な物資を家に備蓄し、家族とは地震が発生した時の連絡方法や避難方法なども確認し合っておくことが大切です。

――今人気のタワーマンションの危険性を指摘する声もあります。

宍倉 東京都のウォーターフロントに建てられたタワーマンションの場合、厚い軟弱な地層の上に建っていることは明らかにわかっている事実です。このエリアの地盤は弱いのですが、それに対応して地震対策をしたマンションであるという説明を受ければ、私はそれを否定するつもりはありません。しかし、長周期地震動が発生すると建物が大きな振幅でゆっくりと揺れ続けるので、建物自体は無事でも揺れ幅の大きい高層階の部屋の中は大変な状態になってしまいます。突っ張り棒が外れて棚が倒れるだけでなく、冷蔵庫など重量物が部屋の中で暴れるように動いてしまう可能性も考えられます。

首都直下型地震、今後30年でいつ起きても不思議ではない状況…解説・大阪北部地震のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!