ビジネスジャーナル > ライフニュース > 「眼瞼下垂」が20~30代に増加のワケ
NEW

まぶたが垂れ下がる「眼瞼下垂」、なぜ20~30代に増加?自然治癒せず、重症化も

文=真島加代/清談社
【この記事のキーワード】, , ,

 人から「眠そうだね」と言われる、おでこにしわが増えた、視界が狭くなった……こんな症状が気になる人はいないだろうか。

 もしかすると、それは「まぶたのたるみ」が原因かもしれない。まぶたが垂れ下がり、上まぶたが開きにくくなることを「眼瞼下垂(がんけんかすい)」といい、最近この病気に悩まされる人が増えているのだ。しかも、従来は中高年に多い疾患とされてきたが、近年は20~30代の若い世代にも発症する人が増加しているという。

 眼瞼下垂とはどのような病気なのか。そして、なぜ若い世代にも増えているのか。専門医に取材した。

肩こりや頭痛、重い眼精疲労の原因にも

「眼瞼下垂は、上まぶたにある『上眼瞼挙筋』という筋肉が加齢に伴いたるむことによって、さまざまな症状が引き起こされる疾患です」

 そう話すのは、北青山Dクリニックの形成外科医・増子貴宣氏だ。上眼瞼挙筋とは、まぶたの先端から目の上の骨に向かい、膜状に広がっている筋肉のことをいう。

「この筋肉が収縮することにより、皮ふや筋肉が骨側に引っ張られてまぶたが開きます。しかし、老人性眼瞼下垂を発症すると、上眼瞼挙筋がたるんでしまい、目を開くことができなくなってしまうのです」(増子氏)

 原因となるのは筋肉だけではない。加齢によってたるんだ皮ふがまぶたに覆いかぶさり、目が開けにくくなった場合も眼瞼下垂と診断される。

「診断方法はさまざまですが、一般的には、眉毛を上げずにまぶたを開けたとき、まぶたで目の角膜が半分近く隠れていたり、少しでも瞳孔にまぶたがかかっていたりすれば『眼瞼下垂がある』と判断されます。また、眼瞼下垂は進行性の疾患のため、自然に治ることがないのも特徴です」(同)

 では、眼瞼下垂になると、どのような症状に悩まされるのだろうか。増子氏によれば、代表的な症状に「目の開けづらさ」があるという。

「目が開けづらくなると視界が狭くなるので、テレビ画面の上のほうが見にくくなったり、クルマの運転中に信号が見えづらくなったりします。その際、視界を広げるために無理に目を開けようとすると、まぶたの筋肉に過度な負担がかかる。その結果、重い眼精疲労を併発することも少なくありません」(同)

 眼精疲労を併発すると、目の奥の痛み、目のかすみ、充血など、さまざまな症状に悩まされることになる。重症化すれば、視界の狭さが原因でケガをしたり交通事故を引き起こしたりする可能性もある。

 また、若々しくありたい人にとっては避けたいはずの「しわ」につながるケースもあるという。

「人間は、視界が制限されると無意識に眉毛を上げてまぶたを開こうとします。そうなると、本来使う筋肉以外の筋肉に負荷がかかり、無理やりまぶたを上げている『努力性開瞼』という状態になる。この努力性開瞼を続けていると、眉の位置が本来よりも高くなり、おでこに横じわが生じてしまうのです」(同)

 さらに、眉を上げるときに使う「前頭筋」は、頭から額、肩までつながっている筋肉のため、肩こりや頭痛を引き起こすケースもあるのだ。

まぶたが垂れ下がる「眼瞼下垂」、なぜ20~30代に増加?自然治癒せず、重症化ものページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

RANKING

11:30更新
  • ライフ
  • ビジネス
  • 総合