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「個人商店化」する皇室…眞子さま結婚騒動など機能不全化の本質的原因

文=八幡和郎/評論家、歴史作家
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皇室というシステムが機能不全

 さらに、“陛下のご学友”と称する人から、陛下の退位のご意向について、憲法上もどうかと思われる不規則発言が飛び出したりもしています。また、皇族方の結婚相手探しにしても、おおよそうまくいっているとは思えませんし、心身のケアについても同様です。

 これは、誰が悪いというだけの問題ではありません。「だけ」と言ったのは、もちろん皇族方にも責任の一端はあるからです。たとえば、小室圭氏と眞子さまの結婚をめぐる話題でも、「眞子さまがかわいそう」という報道や国民の声がありました。

 しかし、26歳の成年女性の結婚相手選びについて「かわいそう」というのは、眞子さまを子供扱いしているのであって、かえって失礼だと思います。イギリスなどであれば、そのような同情論こそ非常に強い批判の対象になるはずです。

 この出来事の本質は、皇室というシステムが機能不全を起こしていることにあります。なぜ、そうなったか。また、現実にうまく機能していないことについては、政府、宮内庁の職員、それに陛下や皇族の方々いずれにも、それなりの責任はあります。

 これに対する前向きな解決とは、批判するばかりではなく、システム全体の改善を図っていくことではないでしょうか。

 現状では、政府は自分たちが皇室に対して介入することは差し出がましいと考えています。宮内庁の職員にとっては、陛下や皇族にあまり差し出がましいことは言いにくいとか、ご意向に逆らえないということでしょう。

 また、皇族方にしてみれば、もっと補佐はしてほしいが、私生活についても公的活動についても、あまりうるさく意見されるのも嫌かもしれません。

 明治・大正・昭和天皇の頃には、天皇陛下ご本人に対しても、かなり厳しい諫言をする人が多くいましたが、現在の宮内庁にはいないのではないでしょうか。皇族方に対してもそうです。そういうことができていれば、今回の眞子さまの騒動など起きなかったでしょう。

 しかし、世界の王室と比べても、こうした無責任な体制が続くと、皇室という制度が本当に長持ちするか不安です。

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