NEW

私が高校時代の大迫勇也に悪癖を指摘したとき、「並の選手ではない」と感じた返答と姿勢

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
高校3年生の頃の大迫勇也

 FIFAワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦のコロンビア戦で決勝ゴールを決め、「大迫半端ない」というキラーフレーズと共に、一躍時の人となったFW大迫勇也。第2戦のセネガル戦でも1トップとして最前線で身体を張り、ボールの収まりどころとして機能。敵将であるアリウ・シセ監督に「15番には手を焼いた」と言わしめるほど、その存在感は際立っていた。

 大迫のプレーの代名詞といえば、「敵DFを背負ってからの反転プレー」だ。大迫の最大のストロングポイントは、DFとボールの間に身体をねじ込んで、DFをブロックしながらボールをコントロールし、そこから味方に落とすパスと、鋭い反転から前を向いてそのまま持ち込んでのシュートを駆使してフィニッシュに絡んでいくプレーにある。

 それは高校時代から大迫の得意なプレーとしてベースにあった。筆者が彼を初めて見たのは、鹿児島城西高校の1年生のときだった。当時の彼は飄々とした感じでピッチを動き回っていた。率直な印象は、「周りを生かすのがうまい選手」だった。彼は的確に相手DFの前のスペースに顔を出しては、ボールを受けてテンポよく周囲にボールをはたいていた。まだその才能をフルに発揮できていない印象を受けたが、まだ1年生だ。その後の成長に期待を込め、試合会場を後にしたことを今でも覚えている。

 その後、彼のプレーを見るために何度も鹿児島城西の試合に足を運んだ。すると、日を追うごとにストライカーとしてのスケールが増していく大迫の姿をはっきりと見ることができた。

 一番の成長は「姿勢」に表れた。1年生の時のプレー中は猫背気味で、目線が下に向くことが多かった。だが、徐々に背筋が伸びた状態でオフ・ザ・ボールの動きや、ボールを持ったときの動きができるようになり、より周りの状態が見え、さらにターンの際も身体の軸がまっすぐになっているため、よりスピード感が増した。

高校生の頃から「大人の議論」ができていた

 3年生になると、DFを背負ってからのプレーも数段レベルアップし、もう高校生では止められない状態になっていた。

 しかし、その一方で、本来、武器であるはずの「背負うプレー」が悪癖になってしまうシーンも散見されていた。ゴール前において一発で前を向けたり、裏に抜け出せたりするシーンでも、足元にボールを要求したり、DFを背負いに行ってしまったり、もっとシンプルにプレーすればいい場面でも手数をかけてしまって、チャンスをフイにすることもあった。

 あまりにも強烈で自信のあるプレーゆえに、それを多用しすぎてしまっていた感があった。実は彼が2年生の2月の九州新人大会の取材をするため、筆者が鹿児島を訪れた時に彼と直接話をして、この“癖”について聞いたところ、筆者の指摘にも嫌な顔ひとつせず次のように答えた。

「ご指摘されたように、時には消極的なプレーになってしまうことがあります。背負うことで逆に不利になって、シュートまで持ち込めないことがあるのも事実です。なので、もっと相手をかわしてシュートを打ったり、ゴールに直結する積極的なプレーを多くできるようにしたい。シュートの回数と精度を上げていきたいです」

 大迫は自分の課題として真摯に向き合っていた。もし並の選手であれば、そこで「何言っているんだ」と不機嫌な態度を取ったり、しっかりと言葉を返さないかもしれない。だが大迫は違った。きちんと建設的な「大人の議論」ができた。それは、自分をしっかりと客観視し、「どうすればもっと成長できるか」を考えている人間の言動だった。だからこそ、彼はさらに成長を続けた。

 高校選手権で、一大会の個人最多得点をマークし、準優勝と伝説のキラーワードを生み出し、鳴り物入りで鹿島アントラーズに入団をした。

私が高校時代の大迫勇也に悪癖を指摘したとき、「並の選手ではない」と感じた返答と姿勢のページです。ビジネスジャーナルは、エンタメ、FIFAワールドカップ半端ない大迫勇也鹿島アントラーズの最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

BJ おすすめ記事