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W杯・日本対ベルギー戦、ピッチ上空の「3羽の鷹」が勝敗を左右する?

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柴崎岳(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 試合中、ピッチの上空に“鷹”は何羽飛んでいるか――。この鷹が複数いれば、よりピッチ上ではエンターテイメント性に富んだ、クリエイティブなサッカーが展開される。

 今の日本代表には、間違いなく3羽の鷹がピッチ上空を羽ばたいている。上空からピッチを見渡し、自分がどこに動けば、どこにボールを送り込めばチャンスが広がるかがわかる。それを3羽で共鳴させて、同じ絵をつくり上げると、それを高い技術を駆使して、ピッチ上に具現化をさせていく。

 日本の試合の上空に舞う鷹の正体は、柴崎岳、香川真司、乾貴士の3人だ。ボランチとして攻守のバランスを支えながら、攻撃のスイッチを入れる柴崎。トップ下で、ボランチと1トップの大迫勇也、両サイドハーフの橋渡しをしながら、自らアタッキングゾーンに入り込んで行って得点に絡む香川。そして、左サイドで起点をつくりながらも、中央のスペースに顔を出して攻撃にアクセントを加える乾。この3人が同じ絵を描いた時、日本のパスワークはもっとも正確性を発揮し、チャンスにつながる。

 コロンビア戦の開始早々のPKも、DFラインからのロングボールをダイレクトで香川が相手DFラインの裏に落としたことで、大迫が抜け出した。そして大迫のシュートのこぼれ球を香川がシュートして相手のハンドを誘ったが、乾もこのこぼれ球に反応していた。

 セネガル戦の1点目は、柴崎が自陣右サイドから敵陣左サイド奥に走り込んだDF長友佑都に糸を引くようなロングパスを送り、このロングパスに乾と香川がしっかりと反応し、ペナルティーエリア内に走り込んだことで、長友の中へのトラップが乾に渡り、乾が前を向いた瞬間に香川がファーサイドに動き直したからこそ、相手DFが釣られて、乾のシュートの時間とコースが空いた。

 そして2点目も大迫の右からのクロスに反応した乾が左サイドでボールをキープし、冷静に中の状況を見てからファーサイドのMF本田圭佑へ正確な折り返しをしたことで生まれた。

 日本のロシアW杯全4ゴール中3ゴールに、この3人が関わっているのだ。3羽の鷹が旋回することの意義の大きさは、この数字にも現れている。

香川と乾が不在だったポーランド戦

 だが、グループリーグ最終戦のポーランド戦では、上空に1羽しかいなかった。スタメンを6人も入れ替えたため、連携面での不足はあったが、第2戦までいた乾と香川がおらず、3試合連続スタメンとなった柴崎が1人だけ上空を旋回した。

 ポーランド守備陣のほころびは、彼の目にはしっかりと捉えられていたはずだ。しかし、それに共鳴する選手がいない。攻撃のスイッチとなる縦パスを入れることよりも、ボランチコンビを組んだ山口螢のポジショニングの悪さ、両サイドハーフのタメのなさの影響をモロに受けて、守備に忙殺される機会が増えてしまった。

 これにより彼の持つ「ホーク・アイ」は効力を発揮せず、むしろ守備面の奔走と開催地・ボルゴグラードの猛暑により激しい消耗を強いられ、その力自体も落ちていってしまった。途中で大迫、そして乾を投入しても、消耗が激しい柴崎の良さを出せる環境をつくり出せず、結果として攻撃の閉塞感を生み出した。

 だからこそ、終盤に西野朗監督は世紀の博打を打たざるを得なくなった。1失点を喫し、「これ以上ポーランドから点を獲ることができない」という判断もあり、話題騒然となったあの試合の終わらせ方につながった。

 何はともあれ、決勝トーナメント進出が決まり、日本時間の3日午前3時にロストフで強豪・ベルギーとラウンド16を戦う。

 ここから先は負けたら終わりの一発勝負。もう他会場のことなど一切に気にすることなく、目の前の相手に集中するのみだ。

 ベルギーはFIFAランク3位で、今大会の優勝候補の一角だ。日本はポーランド戦で消耗が激しかった香川、乾、原口元気、長谷部誠、昌子源らを休ませることができた。だが、ベルギーも決勝トーナメント進出が確定していたイングランド戦で世界的なGKクルトワとDFボヤタを除く9人を入れ替え、エースのルカク、エデン・アザール、デブライネなどの主軸を温存した。それでも22歳のMFヤヌザイ、マンチェスター・ユナイテッドでプレーするベテランのMFフェライニなど、ハイレベルな選手を揃え、イングランドに1−0の勝利を飾った。

 近年、若き才能が次々と台頭し、今の代表は“黄金世代”と呼ばれるほど、世界的なタレントがひしめいているベルギーは難敵中の難敵だ。3羽の鷹がノビノビと上空を舞わないと、日本は一気に苦しくなる。

 果たして日本が誇る3つの「ホーク・アイ」は、どのような共鳴を見せてくれるのか。日本初のベスト8進出を懸けたベルギー戦の「空」に注目だ。
(文=安藤隆人/サッカージャーナリスト)

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