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なぜ今年、ゴルフ場の倒産が激増しているのか?経営を脅かす「時限爆弾」の存在

構成=長井雄一朗/ライター
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預託金の償還期限を延長するゴルフ場が続出

――18年の倒産事例のなかで、特筆すべきものはありますか。

綴木 「マルマンオープン」や「ダイワインターナショナル」の開催コースとなっている埼玉県鳩山町の鳩山カントリークラブが、3月に民事再生法の適用を申請しました。また、4月には滋賀県高島市の朽木ゴルフ倶楽部が約77億3200万円の負債を抱え、同じく民事再生法の適用を申請しました。このペースが続けば、18年は40件前後の倒産が発生する可能性があり、前年比約230%増となります。

――民事再生法の適用を申請した場合、預託金はどうなりますか。

綴木 02年のときもそうですが、法的整理を進めたゴルフ場の多くは「預託金の償還期限を15年延長する」といった措置が再建計画に盛り込まれており、いわば問題が先送りされています。なかには、法的整理にまでは至らなくても償還期限の延長措置を取ったゴルフ場も少なくないようです。

――会員はよく怒らないですね。

綴木 ゴルフ場が倒産してしまうと会員権もなんの意味もなくなってしまいます。そのため、「本当に返ってくるのであれば、10年でも20年でも待ちましょう」というのが当時の会員たちの総意だったのでしょう。そして、その延長期限が切れるのが18年あたりではないかというのが、ゴルフ場が倒産ラッシュを迎える根拠となっています。

 これまでは、ゴルフ場の経営業者が倒産しても、他社に運営が引き継がれるケースが少なくありませんでした。しかし、近年は倒産後にゴルフ場を閉鎖したりソーラー事業に転用したりするケースが増えています。ゴルフ場は山の中にあるため、どう転用するかは模索しているところです。

――プレイヤーの高齢化についてはいかがでしょうか。

綴木 若者のプレイヤーを獲得できていないのは大きな問題だと思います。ただし、先に述べた通り、プレイヤー数は下げ止まっている状況です。かつてのプレイヤーが定年退職を迎え、また戻ってきているからです。今は健康寿命も延びているため、当面は減らないとみています。

 ただし、その人たちもいつかはプレーすることができなくなるため、やはり若者の獲得は必須です。学生や若手社会人向けの格安プランを打ち出したりネット広告を展開したりしていますが、まだ目に見える効果はありません。

多すぎるゴルフ場の淘汰が連鎖か

――個人的には、役員になれるなど出世の芽があればゴルフをやるのもいいと思いますが、そうでなければお金の無駄だと思っています。

綴木 そう考えると、若者にそれほど野心がないという事情も聞かれますし、ゴルフ離れにつながっているのかもしれませんね。ゴルフ場は行くだけでお金がかかりますし、そもそもクルマを持っていないと難しいですからね。

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