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3000円で「1カ月」飲み放題の居酒屋、店側が儲けられるカラクリ

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 こうした条件を満たすことができれば、月額定額制飲み放題は集客の強力な武器になり得るという。実際、このサービスには広告宣伝費の削減につながるメリットもある。

「アンドモワは個室居酒屋業態を多く手がけており、基本的に2人以上での利用を見込んでいます。その場合、ひとりの利用者が月額定額制飲み放題のカードを持っていると、同行したもうひとりも購入する確率が非常に高くなる。居酒屋が利益を出すには、ひとり当たりののべ来店回数も大切ですが、リピーターにつながる新規客の獲得もキモになります」(同)

 多額の広告宣伝費をかけて来店してもらうよりも、月額定額制飲み放題サービスの利用者を通じて新規客を増やすほうが戦略的に手堅いというわけだ。

月額定額制飲み放題の裏に厳しい業界事情


 利用者にとってお得感が高く、店側にとってもメリットが大きいとなればいいことずくめだが、実はデメリットもあるという。

「客側にとっては、利用の仕方が重要になります。もっとも損なのは、期間内に1回しか利用しないこと。また、料理を頼みすぎてしまい、結果的に通常の飲み放題のほうが安上がりだったというパターンも避けるべきです。そうなると、『あまりお得じゃなかった』と不満を感じることになります」(同)

 そして、店側にとってはこのサービスを長期的に運用していけるかどうかがポイントとなる。

「たとえば、短期的に見てリピート数が伸び悩んだりドリンク代の赤字が続いたりして途中でサービス継続を断念してしまうと、将来的な見込み客の獲得につながらず、結果的に損になります。先ほど言ったように、やはり儲かる料理メニューを確立させることがポイントです」(同)

 もともと、この月額定額制飲み放題サービスが導入された背景には、居酒屋を含めた外食業界全体の厳しい現実がある。

 現在、激戦の居酒屋チェーンで成功モデルとされるのは「鳥貴族」や「塚田農場」だが、塚田農場は2014年5月から48カ月連続で既存店売上高と客数が前年同月を下回る状況が続いている。そのほかの居酒屋チェーンも、「ちょい飲み」の人気や嗜好の多様化によって軒並み苦戦を強いられている。

「少子高齢化が進む今、飲食店は限られたお客さんを奪い合っている状況です。さらに、ネットの口コミサイトの普及により、お酒や料理にこだわっているおいしい個人店の情報が手軽に手に入るようになりました。昔に比べて、外食文化そのものが底上げされてきています。そのため、チェーン店はより一層の差別化を図る必要に迫られているのです」(同)

 つまり、月額定額制飲み放題は居酒屋チェーンのなかで頭ひとつ抜きん出るための戦略といえるわけだ。今後は、ほかの居酒屋にも同様のサービスが広がることが予想される。

 アンドモワも、今後は全店で月額定額制飲み放題を導入することを視野に入れているという。消費者は、このサービスを上手に利用したいところだ。
(文=末吉陽子/ライター)

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