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鈴木祐司「メディアの今、そして次世代」

日テレの視聴率が下がり始めた…凋落突入時のフジテレビと酷似、編成全体に綻び

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今後の不安


 では今後を見渡したとき、同局の盤石ぶりは安泰だろうか。実はピークを越え始めたのではという不安も出ている。たとえば視聴率だ。09年度を基準に年度別の推移を見ると、プラスマイナス5%ほどで安定しているように見える。ところが4~6月の第1四半期で見ると、16~18年度はマイナス基調になっている。G帯(夜7~10時)は15年度第1四半期の12.6%が18年度は11.7%、P帯(夜7~11時)は15年度12.3%が18年度11.3%、全日(6~24時)も8.4%から7.6%に下がっている。特に全日は3年連続マイナスを続けている。

 全日の後退については、15年から月別の推移で比べてみると明確になる。同局の1月は箱根駅伝があるため毎年高い。そこから5~7月にかけて下落する傾向があり、『24時間テレビ』のある8月にぴょんと跳ね上がる。そして年末に向けて微増するというのが、毎年のパターンだった。ところが過去3年、1~6月は基本的に毎月下げ続けている。もはやこれは、下降トレンドが固定的になっているとみるべきだろう。

 ほかにも綻びは散見され始めている。まずはドラマ。夜10時台に水・土・日の3枠あるが、17年度は下落傾向だ。土曜こそ9時台から10時台に繰り下げた効果で、年平均が前年比1%ほど上昇した。ところが日曜は0.9%、水曜は2.2%も下げている。この傾向は18年度第1四半期も大きく改善されたとはいいがたい。

 バラエティにも陰りが出ている。たとえば『幸せ!ボンビーガール』『秘密のケンミンSHOW』などがある平日夜9時台は、14年度以降下降気味で、3年で1.2%減らした。日曜夜の快進撃で気づきにくいが、同局の得意分野にも綻びが出始めているのかもしれない。

 情報番組も同様だ。たとえば朝8時からの『スッキリ』は、14~16年度はほぼ7%台を取っていた。ところが17年度は6.5%にとどまった。12時台の『ヒルナンデス!』も6%台半ば以上だったが、17年度は6.1%に終わった。やはり特定の番組が息切れ気味というだけではなく、面としての編成全体が軋み始めている可能性も拭い切れない。

フジテレビの教訓


 かつてフジが04年から7年連続で三冠王を続けていた時代、視聴率は05年度をピークに下がり始めていた。ところが同局はそれに気づきながら、下落傾向に歯止めをかけるような対策が打てなかった。首位を守るために改革しにくいことを「トップのジレンマ」というが、結局それが今日まで続く大幅後退につながってしまった。

 この事例に基づくなら、日テレの現状は09~10年頃のフジに似ている。そういえば日テレも、昨年10月と今年4月の改編でほとんど変更していない。編成幹部は「編成としては、無改編は非常に勇気が必要で、チャレンジングなこと。変えないで結果が出なければ、変えなかった人の責任。私たちはあえて変えず、改めて地上波ネットワークの価値を見いだそうと思う。それは安穏としているわけではなく、危機感を持っているから」と説明した。これが凶と出るか吉と出るか、今後の展開が注目される。

 同局は90年代から「放送を科学する」との矜持を持ち、今日の独走態勢を築き上げてきた。今の黄色信号に対しては、自力で反転攻勢の道を見いだすのかもしれない。どこでどう反転するのか、同局の知恵と行動力を見守りたい。
(文=鈴木祐司/次世代メディア研究所代表)

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