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心臓損傷の危険もあった高校ハンドボールひじ打ち、審判も浪商監督も危機意識がなさ過ぎる

文=粟野仁雄/ジャーナリスト
心臓損傷の危険もあった高校ハンドボールひじ打ち、審判も浪商監督も危機意識がなさ過ぎるの画像17月5日、会見する浪商高校の徳永監督と工藤教頭

 インターハイ(全国高等学校総合体育大会)の出場をかけた、高校男子ハンドボールの大阪大会決勝で、大阪体育大学浪商高校の選手が、桃山学院高校の2年生のエース選手の胸部下かみぞおちあたりにひじ打ちを食らわせて倒したことが問題視されている。日本大学アメリカンフットボール部のように監督やコーチの指示などではなく、浪商側は「故意ではない。偶然」と主張しているが、桃山学院側は「限りなく故意に近い反則」と納得せず、両校は真っ向から対立している。 

 問題の試合は6月10日に堺市で行われた。後半13分、桃山学院のA選手にユニフォームを後ろから掴まれていた浪商のB選手が、突然体を右側へ半回転させA選手にひじ打ちを食らわせた。A選手は苦痛で床に倒れ込み、涙を流してしばらく悶絶していたが、浪商選手は放ったらかした。大接戦の試合は29対28で浪商が勝ち、夏のインターハイへコマを進めた。ひじ打ちを見舞われたA選手は、この試合でも10得点を上げるエースで、試合前半にも浪商選手に背後から首を抱えられるラフプレイを受けていた。

 桃山学院の木村雅俊監督はひじ打ちプレイについてその場で抗議したが、審判が見ておらずに反則が認められず、後日、大阪府高体連の聞き取りの場で両監督立会いの下、B選手がA選手に直接謝罪した。しかし、木村監督は7月4日に会見し、「普通なら引っ張られている側の左腕を振りほどこうとするはず。右腕を振りかぶって肘が偶然当たったというのは納得できない。限りなく故意に近い危険な反則行為」と強調した。

 翌5日には浪商の徳永昌亮監督と工藤哲士教頭が会見。「危険な反則行為があったことは間違いなく、決勝戦という選手たちの気がはやる舞台でラフプレーをしないように指導する責任を果たせなかったことをお詫びしたい」と深々と頭を下げた。しかし「左側で振りほどこうとすれば体の接触が深まり、かえって危険。反対の右に回転したのはおかしくない。当たったのは偶然」とスライドを上映して説明し、改めて「故意」を否定した。

 映像を見る限り、振り払おうとしたというよりは、脇を固めて肘をしっかり突き出して突いている。走っていた2人の動きが止まった直後に狙いすました印象で、ひじ打ち自体は故意のように見える。相手のエースを怪我させて出場できないようにしてやろう、という悪意があったとまでは思わないが、「偶発」という主張には無理があるのではないか。高体連は第三者委員会を設置して調査するが、現時点で再試合の予定はない。

SNSなどで予告

 桃山学院側の不信感を増幅させているのが、試合の2日前に発信されたSNSや投稿画像だった。試合の前、ひじ打ちを見舞われた桃山学院の選手がツイッターに「そろそろ俺らが勝つ時でしょう」とアップしていることを見つけた浪商の2人の部員が、「何、こいつ? ぶっ殺すか」「やっちゃいましょう 笑」「舐めてんな。笑テンション上がってきたわ」などとツイッターに投稿している。

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