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『チアダン』は『ラブライブ!』である。そして青春ドラマの金字塔である。

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 土屋太鳳主演のテレビドラマ『チア☆ダン』(TBS系)の第1話が13日に放送された。

 広瀬すずが主演を務めた同名映画の9年後の世界を描く。土屋は、全米優勝を果たした福井中央高校のチアリーダー部「JETS」にあこがれながらも高校受験に失敗して夢かなわず、別の高校でくすぶっていた女子生徒、藤谷わかばを演じる。

 第1話では、東京から転校してきた桐生汐里(石井杏奈)がチアダンス部を作って全米優勝を目指そうと突っ走り、わかばや他の生徒たちが反発しつつも次第に巻き込まれていく様子を描いた。

 結論から言うと、このドラマは最高である。最初の1人から次第に仲間が増えて結束を高めていくストーリーは、少年漫画やロールプレイングゲームなどでよく見られる王道中の王道であり、展開がわかっていてもおもしろい。女子高校生が個性的な仲間を集めて部活を作るという類似点から、人気アニメ『ラブライブ!』(TOKYO MXほか)を連想した人もいるのではないだろうか。『ラブライブ!』も、高校生たちが時に挫折や衝突を経験しながら成長していくストーリーで感動を呼んだ。このドラマも、女子高校生たちによる青春感動路線のストーリーが繰り広げられることは間違いなく、ある意味一定のおもしろさは保証されていると言えよう。

 高校生役の女優たちにも期待が持てる。運動神経抜群で、映画やドラマの出演経験も豊富な主演の土谷については言わずもがなだが、チアダンス部結成を牽引する汐里役の石井杏奈も素晴らしい。いかにも「東京から来た転校生」というキラキラしたオーラをまとい、飛び切りのかわいい笑顔とかなりの強引さでグイグイ物事を進める汐里と、地味で引っ込み思案だが芯の強さを持つわかばとの名コンビで物語を盛り上げてくれそうだ。

 その他の部員たちについてはまだ深く描かれていないが、「日舞の家元の娘」「陸上部出身」「中華料理店の娘」など、それぞれにキャラ立ちする設定が盛り込まれており、楽しくなりそうな予感がする。チアダンス部に冷たい態度を取る生徒会役員・桜沢麻子(佐久間由衣)も、どうせ後から仲間に加わることがわかっているだけに、ツンデレを見ているようでほほえましい。「当初反対していた生徒会関係者が途中から仲間に加わる」という展開は前述の『ラブライブ!』と共通しており、ある程度同作品を参考にしていることは間違いなさそうだ。別にパクリというほどではないし、おもしろい設定はどんどん他の作品からも取り入れたら良いと思う。

 ドラマの制作陣にもやる気を感じる。なかでも、わかばや汐里らが福井駅前でチアダンスを踊るラストシーンには作り手の熱意を感じた。本作は原作のないオリジナル脚本のため、楽に撮影しようと思えばいくらでも屋内やクローズドな空間で撮影できるはず。あえて手間のかかるロケ撮影を敢行したところに、「いい映像を撮りたい」という心意気を感じた。また、全編を通して役者たちが福井弁を話すこだわりも評価したい。

 今後は、チアダンス部のメンバーたちが壁にぶつかってはそれを乗り越え、全米優勝を目指すという物語になるはず。ドラマ化された『下町ロケット』『陸王』(いずれもTBS系)に代表される池井戸作品風の味付けがあれば、今期ナンバーワン視聴率も夢ではないのではないだろうか。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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