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サブウェイ、店舗大量閉鎖の惨状…「高い・遅い・面倒」がアダ、コンビニ充実しすぎで行く必要性薄

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

サブウェイが日本で受け入れられないワケ

 それは何か。筆者は「サンドイッチの格」だと考える。「格」という言葉は、「ブランド力」や「イメージの良さ」「親しみやすさ」といった言葉に置き換えても差し支えない。大雑把に説明すると、「消費者の心の中に占めるサンドイッチの割合の大きさ」がどうなのかということになる。

 言うまでもないが、サンドイッチは欧米で発達した食べ物だ。パンに肉や野菜などの具を挟むだけでつくることができ、その手軽さが受けて人気を博すようになった。そのため、アメリカ人の心の中に占めるサンドイッチの割合は小さくはない。

 サンドイッチは欧米で広がった後に日本に伝来してきた。日本でもその手軽さが受けて広まっていった。ただ、日本には手軽に食べられるものとして「おにぎり」が存在する。そのため、日本人の心の中に占めるサンドイッチの割合はアメリカ人ほどにはならなかった。

 以上により、サンドイッチの格は日本人よりもアメリカ人のほうが高い。そのため、サブウェイは米国で広く受け入れられ、日本ではそれほど受け入れられなかったと考える。

 事業展開するなかで、サブウェイのサンドイッチの格を上げることができなかったことも大きい。これは、マクドナルドと比較するとわかりやすいだろう。

 日本でマクドナルドの1号店が誕生したのは1971年。出店場所は東京・銀座を選んだ。銀座を選んだのは、流行の発信地である銀座に出店することでハンバーガーの格を高められると考えたためだ。この戦略は功を奏し、マクドナルドを日本で定着させることに成功した。

 一方、サブウェイの日本1号店が誕生したのはマクドナルドの21年後となる92年。出店場所は東京・赤坂を選んだ。サントリーホールディングス(HD)が米サブウェイからマスターフランチャイズ権を取得し、日本サブウェイを通じて運営を開始した。

 ただ、先述したとおり日本ではサンドイッチの格が高くなかったため、日本人に広く受け入れられることはなかった。日本人の嗜好に合った日本オリジナルメニューを投入するなどしたが、抜本的なテコ入れとはならなかった。

 ちなみに、サントリーHDは後に日本サブウェイの株式すべてを世界のチェーンを統括する本社サブウェイインターナショナルホールディングス(オランダ)に売却しており、現在は本社主導で再建を図っている。

佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に勤務。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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