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北方領土問題、1年以内に解決の可能性…安倍&プーチンの平和条約締結→2島返還シナリオ

文=兜森衛

 今年2月7日の「北方領土の日」に都内で開催された「平成30年北方領土返還要求全国大会」に出席した安倍首相は、次のようにあいさつした。

「戦後72年が経過してもなお日本とロシアには平和条約がないのは、異常な状態です。なんとか、この状況を打開しなければならない。戦後ずっと残されてきたこの課題に、私とプーチン大統領が終止符を打つ。これまで20回の首脳会談を行い、その強い決意を両者で共有しております。事情が許せば、本年5月にロシアを訪問し、日ロ首脳会談を行い平和条約締結問題も取り上げる考えです」

 1855年2月7日に「日露通好条約」が締結され、択捉島とウルップ島の間に国境を置くことを確認し、国後、択捉、歯舞、色丹の4島が我が国に帰属することが確定した。そのため、同日が「北方領土の日」と制定された。この記念日に安倍首相が「平和条約の締結」を口にしたことは、1956年の「日ソ共同宣言」に従い、平和条約の締結後に歯舞群島と色丹島の2島返還に向けて、強い決意で望むとの意思表明にほかならない。しかしながら、5月26日にモスクワで行われた21回目の日ロ首脳会談は、またしても不調に終わった。鈴木氏はこう語った。

「安倍総理は9月に再選されても、残り3年しか時間がありません。プーチン大統領は今年の5月から、実質向こう6年間あります。2020年には東京オリンピックですから、実質与えられた期間は1年半だと思っております。そうなると、今年の9月のウラジオストクでの東方経済フォーラム(11~13日)での日ロ首脳会談で日本としての考えを明確に示し、来年6月のG20で訪日するプーチン大統領に、安倍総理の提案に対してなにがしかの返事をもらうというスケジュール感覚がないと、この問題は追いつかないと思っております。が、私は安心しております」(同)

2島先行返還を主張してきた鈴木氏

 21回も首脳会談を開きながら、北方領土問題はなぜ解決しないのか。鈴木氏はこう解説した。

「今は外交交渉中ですので、におわせてもいけないし、触れてもいけない問題です。よく、首脳会談が終わって『領土は1ミリも動いていないじゃないか』と指摘する方がいますが、これは外交を知らない人たちです。外交というのは運動ではありません。北方領土返還運動といいますが、民族派の人たちが1億回『4島を返せ』と言ったって動かない。責任ある政治というのは、外交交渉だからです」(同)

 では、ロシア側のウラジーミル・プーチン大統領は北方領土問題をどう見ているのか。4島返還後に平和条約を締結するのか、平和条約締結後に2島を返還するのか。鈴木氏は、プーチン大統領が後者にあたる「日ソ共同宣言」に重きを置いていると主張する。

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