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任侠山口組・織田代表襲撃事件から1年…注目の定例会、山口組再編への重大発表はあったのか?

文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部
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任侠山口組・織田代表襲撃事件から1年…注目の定例会、山口組再編への重大発表はあったのか?の画像1襲撃事件から1周年、物々しい雰囲気に包まれた古川組本部前

 2017年9月12日。関西地方は天候がすぐれず、ときおり雨が滴り落ちていた。そんななか、神戸市の路上で突如として起きた任侠山口組織田代表襲撃事件。織田代表の警護を務めた組員が、対立する神戸山口組組員に銃撃され命を落とすという惨劇が起きたのである。

 あの事件から1年。事件現場には花が手向けられ、「勇者へ 安らかに 元警護隊」と書かれた立て札が添えられていた。そして、兵庫県尼崎市内にある任侠山口組傘下の二代目古川組本部では、亡き組員の一周忌がしめやかに執り行われたのである。

 当サイトでも何度もお伝えした通り、8月に急浮上した任侠山口組の六代目山口組加入説【参考記事:「任侠山口組が六代目山口組に加入!?」】。瞬く間にその噂が流布し錯綜したために、関係者らの間でも、「もしかしたら、この9月12日を節目として大きく動き出すのではないか」とする見方があった。そのため同日の二代目古川組本部前には、朝から報道関係者や警戒にあたる警察官が大勢詰めかけていたのである。

 一方で、業界関係者らの間で「そういった動きはない」と否定する声が上がっていたのも確かだ。

「すでに六代目山口組サイドでは、任侠山口組の迎え入れを真っ向から否定してみせたといわれており、任侠山口組でも、今後を見据え、組織内を改革させる通知を関係者らに流していた。状況的に、どう考えても重大発表があるとは考えにくい」(地元組織幹部)

 そんな憶測が流れるなか、織田代表が11時過ぎに二代目古川組に入ると一周忌法要が始まり、法要終了後には4カ月ぶりとなる定例会が同所で開催されたようだ。

「結局、そこでも六代目サイドへの加入話などは出なかったようだ。ただ織田代表自ら、これまで通り組織を拡大させていく方針であることを明かしたと聞いている。そのなかで、来年に迫った髙山清司・六代目山口組若頭の出所を意識した発言も出たという話だ」(捜査関係者)

織田代表、関東に進出か?

 織田代表があらためて表明したという勢力拡大路線。これは、六代目山口組と合流することなく、任侠山口組を業界内で無視できない存在へと発展させていこうとする意思表示とも取れる。そして、定例会閉会後、織田代表は大阪市中央区島之内にある、自身が所有する織田ビルへと入り、そこであらためて亡き組員を祀る祭壇への開眼式を行ったとみられている。

 果たして、今回の任侠山口組の加入説は一体どこから流布されたものだったのだろうか。すべてが噂だけであったのか。それとも、そういった動きが実際に起きていたのか。ある幹部は、このように述べている。

「すべてがデタラメだったかといえば、必ずしもそうではないだろう。そういった動きがあったというのは、六代目サイドだけでなく神戸サイドからも聞こえてきていた。しかし結果として、実現するには至らなかったという見方が妥当だろう。その裏では、任侠を迎え入れようとする一部勢力と、それに反対する勢力との衝突があったという話もあれば、任侠山口組が加入した場合の条件に折り合いがつかなかったという話もある。どちらにしても、加入や統合するには、まだ時間が必要とされたということではないか」

 この幹部の見立てによれば、当面は六代目山口組、神戸山口組、任侠山口組と3つの山口組が並行するかたちで存在し、大きな抗争に発展しないまでも、移籍や切り崩しといった引き抜きは続いていくだろうという。そして、そのなかで、分裂騒動により取り締まりを強化させ続ける警察当局の動きがキーになっていくとも指摘する。確かに、少なくとも派手な抗争事件を起こさせないためにも、警察当局が今後も警戒の手を緩めることはないだろう。

 また、任侠山口組系組織で設立された親睦会・関東同志会の会長に織田代表が自ら就任したことから、今後は代表自ら関西方面だけではなく、関東方面も視野に入れて活動していくのではないかとみられている。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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