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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

ホンダ「N-BOX」が今、日本で最も多く売れている納得の理由…安く買うためのコツ

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
ホンダ「N-BOX」が今、日本で最も多く売れている納得の理由…安く買うためのコツの画像1ホンダの「N-BOX」(「N-BOX|Honda」より)

どんなクルマなのか?

 今の日本で、もっとも多く売れている車種が本田技研工業(ホンダ)「N-BOX」です。特に、2017年以降は小型/普通車も含めた国内販売の総合1位になっています。全長と全幅の小さな軽自動車にもかかわらず、天井の高さもあって車内はとても広く、後席を畳めば大容量の荷室になります。また、安全装備も充実しています。

人気を得ている理由

 N-BOXが人気を得た理由は、今の軽自動車に対するニーズをバランス良く満たしているからです。車内が広くシートの座り心地も快適なので、大人4名の乗車にも適します。後席を畳むと自転車も積むことができます。燃費も満足でき、緊急自動ブレーキを作動できる安全装備は軽自動車ナンバーワンです。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★★★

 車内は軽乗用車ではもっとも広く、特に後席がゆったりしています。シートの座り心地は柔軟で、乗り心地の良さにも寄与しています。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★★★

 後席は簡単に畳めて大容量の荷室になります。荷室の床面地上高は470mmと低いので、荷物の積み降ろしも簡単です。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★★☆

 視界と取りまわし性は軽自動車の平均水準ですが、14インチタイヤ装着車の最小回転半径は4.5mに収まります。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★☆☆☆

 車両重量が900kg前後に達するので、660ccのノーマルエンジンでは加速力が少し足りません。安定性もやや不満です。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★★☆

 乗り心地は軽自動車の中で快適な部類に入ります。内装のつくりも上質で、満足感は軽自動車の域を超えています。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★★☆

 ノーマルエンジンのJC08モード燃費は27km/Lと良好です。自動車取得税が40%、同重量税が50%減税されます。

(7)安全装備の充実度

★★★★★

 緊急自動ブレーキを作動できる安全装備と運転支援の機能は、数ある軽自動車の中でもっとも先進的です。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 価格は小型車並みに高いですが、車内の広さ、内装の質、安全装備なども小型車と同等かそれ以上に優れています。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・頭上と足元の空間が驚くほど広く、スライドドアで乗降性も優れています。

・乗り心地とシートの座り心地が優れ、大人4名が長距離を快適に移動できます。

・車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどの装備が先進的です。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・軽自動車の中ではボディが重く、登坂路などではパワー不足を感じやすいです。

・トレイは豊富ですが、フタの付いた収納設備は少ないです。コストを抑えました。

・インパネは上端の位置が高いので、小柄なドライバーは前方視界に注意しましょう。

こんなユーザーにおすすめ

 日本でもっとも多く売れるクルマなので幅広いユーザーに適しますが、特に人気が高いのは若いファミリー層です。後席が広いため、幼い子どもを抱えてスライドドアから後席に乗り込み、チャイルドシートに座らせる作業もしやすいです。

 子どもが座る後席を前寄りにスライドさせると、親子4名で乗車して、最後部の荷室に子ども用の自転車を積むことができます。この状態では、運転席に座る親と後席に座る子どもの間隔が縮まり、信号待ちのときなどに子どものケアもしやすいです。

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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