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「伊藤忠・ファミマ・ドンキ連合」構想の全貌…ファミマ経営体制全面見直しの舞台裏

文=編集部
「伊藤忠・ファミマ・ドンキ連合」構想の全貌…ファミマ経営体制全面見直しの舞台裏の画像1ファミリーマートの店舗(撮影=編集部)

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(以下、ユニーファミマ)は、2018年12月中を目標としていたドンキホーテホールディングス(以下、ドンキ)の持ち分法適用会社化が実現できず、大きな誤算となった。

 同年10月、ドンキ株を最大20.17%取得して持ち分法適用会社にすると発表。11月から12月にかけて1株6600円でTOB(株式公開買い付け)を実施したが、0.2%の取得にとどまった。

 というのも、ドンキ株はTOB発表後、大きく上昇。買い付け最終日の12月19日の終値は7110円で、終始買い付け価格を上回った。

 今回のユニーファミマによるドンキのM&A(合併・買収)は、ドンキが提案したものだ。ドンキは18年8月、40%の株式を保有していたGMS(総合スーパー)のユニー株を買い増し、完全子会社にすることをユニーファミマに提案。ユニーファミマはユニー株を全株売却する見返りにドンキ株を取得することになった。

 ユニーファミマは業績不振のGMSを連結決算の対象から切り離し、代わりに業績好調のドンキを持ち分法適用会社に組み入れる。コンビニとディスカウントストアを持つことを狙った。

 こんなシナリオに沿って、ドンキはユニーを完全子会社にした。ドンキは19年2月1日、社名を「環太平洋」を意味するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスに変更。創業会長兼最高顧問という肩書の安田隆夫氏が1月に取締役に復帰した。

 一方、ユニーファミマは持ち株会社の社名からユニーを外し、持ち株会社と事業子会社であるファミリーマートとの経営統合が喫緊の経営課題となる。持ち株会社がなくなれば、社長が一人要らなくなる。

 持ち株会社の高柳浩二社長が会長兼CEO(最高経営責任者)になるのか、それとも社長を続投するのかが焦点。ファミリーマートの澤田貴司社長については、「なんやかんや言われるが、伊藤忠商事時代にセブン-イレブン・ジャパンを担当したこともあり、コンビニを知っている」(ファミマの幹部)との見方がある一方、「(伊藤忠の)岡藤正広会長兼CEOは、澤田氏を事業会社、ファミマの社長に抜擢したが、持ち株会社の社長にするつもりは当初からなかった。だから、新会社の社長になる可能性は低いのではないか」(伊藤忠幹部)とみられている。もし、高柳氏が会長兼CEOになった場合、社長は親会社の伊藤忠から送り込まれる可能性もある。

「持ち株会社を消滅させるのかどうか。まだ具体的に出てきていないようだが、確かにユニー売却に伴って、持ち株会社にしておく必要はなくなる。持ち株会社を一旦解体して、伊藤忠との関係をさらに強化し、そこにドンキが加わるという“伊藤忠・ファミマ・ドンキ連合”を、岡藤さんは考えているのだろう」(流通ジャーナリスト)

 コンビニのファミマは共通ポイント「Tポイント」の運営会社、Tポイント・ジャパンの株式をカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に売却する検討に入った。伊藤忠と共同で金融とIT(情報技術)を融合したUFI FUTECH(ユーエフアイ・フューテック)を設立。今年7月にはスマートフォンを使った独自のキャッシュレス決済を始める計画。Tポイント運営会社の株式売却は購買データや決済情報収集のあり方を見直す機会となる。

 ユニーファミマの株価は年初から下がっている。2月6日の終値は前日比360円安の1万2660円。ドンキ株をTOBすると発表したことから、株価が高騰。18年11月28日に1万8960円まで買い進まれたが、TOBが成立せず、材料出尽くし感から株価の調整が続いている。直近の下げで、18年8月の安値から11月の高値までの上げ幅に対して半値押しの水準(1万4180円)を大幅に下回り、ここで踏みとどまれるかどうかの正念場だ。

 ユニーファミマは2月決算だから5月が株主総会。社名や新体制はどうなるのか。変貌の年となることだけは間違いない。

佐古則男副社長は退任

 ユニーファミマは2月6日、佐古則男副社長が2月28日付で退任すると発表した。1月に傘下のユニーがドンキの子会社になったことから、佐古氏はユニーファミマの取締役を外れる。佐古氏はユニーの社長職は続ける。

 2月28日付で玉巻裕章取締役も退任。玉巻氏は伊藤忠の出身で「一時期、社長候補と取り沙汰されたこともある」(ファミマ関係者)人物だ。

 これまでファミマの広報体制はセブン&アイ・ホールディングス(セブン-イレブン・ジャパン)やローソンに比べて脆弱だったが、3月1日付で広報室を経営企画本部に編入し、広報部に改称。広報部長も入れ替え、広報体制を強化する。
(文=編集部)

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