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ブックオフ、経営危機から突然、絶好調化し過去最高益へ…劇的なビジネスモデル転換が完全成功

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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ブックオフの店舗(撮影=編集部)

 

 ブックオフグループホールディングスが絶好調だ。5月の国内既存店売上高は前年同月比4.1%増と、15カ月連続でプラスだった。それまで13カ月連続でマイナスだったのが嘘のように好調が続いている。

 5月10日発表の2019年3月期決算も好調だった。前期まで赤字が続いていた最終損益は21億円の黒字に転換した。黒字は4年ぶり。グループ再編に伴う税負担の軽減など一過性の要素が大きいものの、最終損益は過去最高となった。売上高は前期比0.9%増の807億円と、2年ぶりの増収となった。

 19年3月期こそ増収増益で好調だったが、それ以前は苦戦が続いていた。本離れや本の電子書籍化で主力の書籍の流通が減ったり、フリマアプリ「メルカリ」などインターネットを介したフリーマーケットのサービスが台頭するなどで競争環境が厳しさを増し、ブックオフは低迷するようになった。だが、フリマアプリ市場が拡大していることに関しては言い訳にはならないだろう。

 確かに、フリマアプリ市場は拡大している。経済産業省によると、フリマアプリ市場の規模は、17年が前年比58%増の4835億円、18年は32%増の6392億円と大きく伸びている。フリマアプリ企業は急速に台頭しており、ブックオフにとって強力な競争相手であることに間違いはない。対策を怠ってはならないだろう。

 しかし一方で、リユースの未開拓市場の規模(自動車、バイク、原付バイクを除いた過去1年間に使わなくなった製品価値の総計)は、経産省の推定で7兆6254億円にも上る。他方、リユースの店舗販売とフリマアプリなどネット販売を合わせた顕在化しているリユース市場の規模は17年で2兆1000億円と大きな市場を誇り、かつフリマアプリ市場が牽引するかたちで伸びてはいるが、それでも未開拓の市場規模のほうがまだまだ圧倒的に大きい。そのため、収益を上げることが極端に難しい市場環境にあるとはいえないだろう。

 事実、中古品店「ゲオショップ」などを展開するゲオホールディングスのリユース販売は好調に推移している。同社の19年3月期のリユース商材売上高は1066億円と前期比7.3%増となっている。このように大幅な増加が続いており、不振にあえいでいたブックオフを尻目に、ゲオはリユース商材を売りまくっている。リユース市場は、メルカリなどの脅威はあるが、ゲオように販売を大きく伸ばせるだけのチャンスが転がっている状況にあるといえる。

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