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東京五輪、マラソン以外も会場変更の恐れ…問われる小池都知事の責任、暑さ対策に不備

文=編集部
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東京2020プレビュー IOC調整委員長が都知事と会談(写真:AFP/アフロ)

 東京五輪マラソンと競歩の会場変更問題をめぐり、小池百合子東京都知事が窮地に追い込まれている。

 IOC(国際オリンピック委員会)が10月16日、マラソンと競歩の会場を東京から札幌に変更する方針を示した。大会組織委員会の森喜朗会長は「ダメとは言えない」と言っており、札幌案への流れが加速している。これに異議を唱えている小池都知事は25日、東京都庁を訪れたIOCのジョン・コーツ調整委員長と会談し、東京開催を訴えたものの、コーツ氏からは「IOC理事会の決定事項。東京に戻ることはない」と明言されてしまった。

 この状況をせせら笑っているのが、自民党の都議会議員たちだ。札幌への会場変更についてはIOCと組織委の間で先行して話し合われ、東京都は蚊帳の外だった。

「小池氏はマラソン・競歩会場の変更について『青天の霹靂』と言っていたが、なぜIOCや森会長が自分には相談しなかったのかをよく考えたほうがいい。夏の暑さ対策について、IOCは東京都が打ち出してくる『打ち水』などの小手先の施策に呆れていた。蚊帳の外に置かれたのは、小池氏の都知事としての力量のなさが原因だ」(自民党関係者)

 次の都知事選は五輪直前の来年6月末か7月上旬に実施される見通し。今回の一件で、「世論は小池都知事にバツを付ける。再選に黄信号が灯った」と自民党は読んでいる。自民党は2016年の前回都知事選で増田寛也前岩手県知事を擁立して小池氏に敗れ、翌17年の都議選でも小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会」に都議会第1党の座を奪われただけでなく、57議席を23議席まで減らす大惨敗となった。自民党所属だった小池氏への憎悪は相当のもので、都議会では野党として徹底的に敵対している。

 来年の都知事選に向けても、今年6月、独自候補を擁立するための「都知事選候補者選考委員会」を党内に設置。10月18日には都議や区議らが都知事候補の1人とされる丸川珠代参院議員を“囲む会”を開いた。マラソン・競歩の札幌開催の話が2日前に表面化した直後だけに、囲む会は大盛り上がりだったという。

 一方の小池氏は必死の巻き返し中。25日の定例会見で、「都民からはマラソンや競歩を東京で見たいとの声をいただいており、思いを受け止めなければならない」と訴えた。マラソン・競歩の札幌開催に関して24日までに都庁に寄せられた電話やメールによる741件の意見のうち、88%にあたる368件が札幌開催に反対するものだったという。

「都民の多くが東京開催を支持しているという事実を、自分への後押しにしたい考えなのでしょう。IOCと組織委に蚊帳の外にされたことを逆手にとって、『かわいそうな小池都知事が奮闘中』という構図をつくり、都民の『判官贔屓』を狙っている」(都政記者)

 暑さ問題による競技会場変更は、マラソン・競歩だけにとどまらない可能性がある。札幌開催なら経費をどこが出すのか、これまでの東京都が負担した準備費用はどうなるのか。会場問題は都内で10月30日から開かれるIOC調整委員会で本格的に議論されるが、会場変更問題の行方が小池氏の再選戦略に直結するのは間違いない。

(文=編集部)

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