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徴用工個人の損害賠償請求権は消滅していない…日本による奴隷的強制労働こそ問題の本質

構成=長井雄一朗/ライター
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――ほかに、解決策としてはどのような選択肢がありますか。

宇都宮 戦後補償の問題については、ドイツの取り組みを見習うべきです。00年8月、ナチス・ドイツによる強制労働被害に関してドイツの政府と企業約6400社が「記憶・責任・未来」基金を創設し、これまで約100カ国の166万人以上に対して約44億ユーロの賠償金を支払っています。同じように、日本の政府と企業が基金を創設し、元徴用工に直接的な謝罪や補償を行うという方法が望ましいです。

 また、謝罪と賠償に加えて「記憶の継承」も重要です。ドイツでは首都ベルリンの中心地に、ナチスに殺された600万人以上のユダヤ人のための追悼モニュメントが設置されています。これは、同じような過ちを繰り返さず若い世代に語り継いでいくというドイツ人の決意の表れです。日本も同様に、徹底した教育や広報を行うとともに、慰安婦の少女像や徴用工像を国会議事堂の前などに設置すべきだと考えています。

――日韓関係改善のためには、抜本的な対応が必要になりそうですね。

宇都宮 私が日弁連の会長を務めていた10年12月11日、日弁連と大韓弁護士協会(大韓弁協)は、日本による植民地支配下での韓国民に対する人権侵害、特にアジア太平洋戦争時の人権侵害による被害と被害回復に関して、共同シンポジウムを開催しました。その成果を踏まえて、慰安婦問題や強制動員被害の救済のために「共同宣言」を発表しました。

 日韓関係が戦後最悪と言われる今こそ、日弁連と大韓弁協は新たな「共同宣言」を発表するなど、問題解決に向けて共同活動を行うべきではないかと考えています。

(構成=長井雄一朗/ライター)

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