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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

菅義偉内閣、総務相に橋下徹氏が浮上…携帯料金値下げと道州制導入を推進か

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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橋下徹元大阪府知事

菅義偉内閣の閣僚人事で、橋下徹元大阪府知事が総務大臣に就任するかもしれない」――。

 今、永田町・霞ヶ関関係者の間で、こんな観測が飛び交い、大穴人事としてまことしやかに語られているという。菅官房長官が次期総理になることが既定路線となった今、官房長官人事に続き、一つの注目ポストが総務相となっている。「菅氏自身が大臣経験者で実務に通暁しているため、正直フリーハンドの状況になっている」(全国紙政治部記者)ためだ。

 実際、9月2日の自民当総裁選の立候補会見で地方活性化と携帯電話料金値下げという総務省所管分野に注力すると明言しており、自らの一丁目一番地として大ナタを振るうのは間違いない。大臣自体はよほど問題のある人物でない限り、もはや誰でもいいというわけだ。

 大臣候補には思い切って若手を登用するという考えもあるため、「地元神奈川の坂井学衆議院議員を登用して経験を積ませる」(同)との予想も出る。しかし、今回の組閣人事では有名閣僚としては河野太郎防衛相が官房長官候補として名前があがるくらいで全体的に華がない。安倍晋三首相の体調不良による辞任という不測の事態を乗り切るため、来年9月までの総裁任期までの短命内閣という立場に立てばそれでもいいかもしれないが、いずれ訪れる総選挙を込みで考えた場合は、サプライズ人事で注目を集めることも十分に考えられる。

橋下徹氏で地方自治改革が加速か?

 なぜ、橋下徹氏か。まず、菅氏と日本維新の会が昵懇なのは有名だ。それに、維新は大阪都構想をはじめ、地方自治制度の改革を進めようとした実績がある。大阪都構想は頓挫したものの、維新としては全国に道州制などのブロック制を導入することについては政策理念的に合致する。さらに、携帯料金値下げについては「公共の電波を利用して暴利をむさぼる携帯電話会社大手」をワルモノにして、「既得権益に切り込むヒーローとしての橋下徹」というわかりやすい構図に持ち込むことができ、こちらも「ポピュリスト橋下徹」の面目躍如だろう。

「もし橋下総務相が実現した場合、総務省にとっては悪夢だ」と話すのは総務省の旧自治省系幹部。「総務省は地方自治のご本尊で、そこを引っかき回されるのは困る」との懸念は高まっている。報道関係者も「橋下氏が大阪府知事時代にはそれまでいなかった政治部記者が臨時で東京から送り込まれた経緯がある。取材にも積極的に応じる上、発言の一つひとつがニュースになりかねず、気が抜けない」と緊張感が高まっているという。

9月下旬に解散、10月25日に総選挙

 9月16日に国会を緊急召集して首相の指名選挙をすることは決まっているが、永田町関係者からは「来年度の予算案が決まる前の10月25日に総選挙がある」(自民党ベテラン議員)との観測も強まっている。このシナリオ通りだと、9月16日に民間人として橋下氏を総務相にして直後の9月下旬に解散し、10月の総選挙で大阪から出馬し国会議員として改めて国政進出するということになる。長らく国政出馬がウワサされてきた橋下氏だけに動向が注目される。

 政権交代の時はさまざまな憶測が飛び交うが、一つの見方としてお楽しみいただきたい。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

松岡久蔵/ジャーナリスト

松岡久蔵/ジャーナリスト

 記者クラブ問題や防衛、航空、自動車などを幅広くカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや⽂春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。
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Twitter:@kyuzo_matsuoka

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