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電気自動車(EV)は氷河期!?

日本車復興の生命線EV車 電気規格の統一で世界から孤立

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「EVは次世代エコカーの本命と目されており、将来は巨大市場に育つものと期待されている。欧米のメーカーは商品化で先行する日本勢から主導権を奪うために(SAEに)強引にコンボ方式を採用させた」と業界関係者は指摘する。

 複数の規格が競合すれば消費者の買い控えを招き、EVの世界市場での普及に急ブレーキがかかることにもなりかねない。

 世界市場を見渡すとEVは日産、三菱自動車のほか、仏ルノー、米GMも販売しているが、いずこも販売は停滞ぎみ。三菱自動車が09年7月に発売した世界初の量産EV、アイ・ミーブの世界販売台数の累計は、およそ3万台と低迷している。三菱自動車はEVが出す赤字に耐えられなくなり、早晩、EVから撤退するかもしれないと見なす関係者もいる。

 事実、中国ではすでにEVベンチャーの比亜迪(BYD)が経営難に陥った。一時は「期待の星」と騒がれたが、あっけなく失速してしまった。

 EVを次世代エコカーの本命と捉え、巨額の設備・開発投資を行い、先頭を走っているのが日産だ。カルロス・ゴーン社長がどこまで頑張るかにかかるが、日産は中国での新車の売れ行き不振が長引き、ダメージがこれ以上大きくなると、EV戦略がどうなるかは分からなくなる。中国から直ぐに撤退ということはあり得ないが、フェードアウトする可能性はゼロではない。

「節電が叫ばれる中で、電気自動車というのは腑に落ちない」という、庶民の率直な声もある。

 明らかにEVは、かつての熱気が消えた用に見える出来事がある。米ロサンゼルスで、エコカー中心のショーとして知られる自動車ショーが開幕したが、米国でも販売台数が伸び悩んでいるEVの発表は少なかった。トヨタ自動車は2年前には米有力ベンチャー企業と共同開発したEVを華々しくお披露目したが、今年は様変わり。SUV(スポーツ用多目的車)の新モデルが目玉だ。大手メーカーはEVを展示しているが発表済みのものが申し訳程度に並んでいるだけ。

「売れないEVより『売れる車』を優先する販売戦略を取っている」(米自動車業界の関係者)。

 EVは本格的には普及しないのではないのか。EVは氷河期の真っ只中にある。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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