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日銀総裁人事、財務省・日銀タッグと安倍・麻生の攻防…政府への協力は6月まで

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日銀総裁人事、財務省・日銀タッグと安倍・麻生の攻防…政府への協力は6月までの画像1政府・日銀の共同声明について報じる
1月23日付朝日新聞より
 安倍晋三首相の日銀攻めは、「2%の物価上昇」を日本銀行(日銀)がのむことで第一幕が下りた。攻防は4月に任期を終える白川方明・日銀総裁の後継者選びへと移った。「後任は私たちの考えに理解のある総裁を選ぶ」と首相は繰り返している。だが、首相のツルのひと声で決まるほど簡単ではない。麻生太郎財務相は「安倍の暴走」に歯止めを掛けようとしているが、背後には財務官僚がいる。

 人事は、権力者が誰なのか示す、わかりやすい目安だ。新内閣は安倍主導に思えるが、閣内の力関係は微妙だ。経済財政諮問会議の委員を選ぶ時、こんな一幕があった。

 安倍首相は竹中平蔵慶応義塾大学教授を指名したという。だが竹中は選ばれなかった。「『委員をお願いします』と頼んだのは安倍首相本人だったのに、あとになって、安倍首相は『申し訳ない』と詫びを入れたと聞きました」と関係者は言う。麻生財務相の抵抗があったといわれる。

「麻生さんの竹中嫌いは有名です。小泉政権で総務大臣だった麻生さんは守旧派扱いされ、郵政改革でさんざん煮え湯を飲まされた。『竹中だけはダメだ』と拒否を貫いたと聞いています」

 財務官僚はそう解説する。首相が決めた人事を財務相がひっくり返す。そんなことが政権内部で起きている。

 安倍・麻生は悪い関係ではない。昨年9月の総裁選では、石原伸晃に傾きかけていた流れに棹を差し、安倍総裁を誕生させたのは麻生だった。安倍は恩義を感じ、先輩格である麻生を立てている。

 だが人事で自らの意向を通せないのは、単なる遠慮で片づけられない危うい権力構造が投影されている。アベノミクスと呼ばれる経済政策の根本にかかわる問題でもある。

「大胆な金融緩和や日銀批判は党内以外で受けがいいが、選挙中に安倍さんが言っていたことを本気でやったら大変なことになる」

 そう語る政府関係者は少なくない。

 日銀が輪転機をじゃんじゃん回してお札を刷って、建設国債を引き受けてもらい、公共事業をすれば景気はよくなる……。総選挙の前、安倍首相は自民党総裁として「大胆な金融緩和」と「公共事業による国土強靭化」をこう説明していた。

 これを受け、「国債発行や公共事業を膨脹させ、財政節度を歪める危ない政策だ」と当時の野田佳彦首相は強く批判した。この発言は、財務省の懸念を代弁するものだった。

●財務省、膨張財政への協力は6月まで

 安倍政権が誕生し、財務省はアベノミクスに従い、公共事業満載の補正予算や2013年度予算を組んだ。だが、「国債をじゃんじゃん発行して予算を膨らますことは、あってはならない」という姿勢は変えていない。

「短期的には膨張予算に協力する。4〜6月の経済指標がよくないと、来年4月から消費増税に踏み切れない。自民党も参議院選挙まで財政をふかしたい。しかし、その後は締めます」
と財務官僚は明かす。ことあるごとに麻生財務相も「短期は機動的な財政運営、中長期は財政節度に配慮する」と言っている。

 だが、一度膨脹させた財政を再び引き締めるのは、生やさしいことではない。

 そこで日銀総裁の人事が問題になる。財政に理解のある人物を総裁に据えたい、と財務省は考える。「輪転機を回してお札を刷って、その資金で国債を買って金融を緩和する、というトンデモ総裁が現れたら、国債暴落の恐れさえ出る」というのだ。

 アベノミクスは政府の考案ではない。首相を辞めて不遇の時代、「安倍の話し相手になった学者や官僚OBが吹き込んだ危ない政策」というのが財務省の見立てだ。

BusinessJournal編集部

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