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石渡嶺司「大学・キャリアのぶっちゃけ話」

就活後ろ倒し、損/得する学生は?「学業は就活に無意味」はウソ?失敗避ける対策も

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就活後ろ倒し、損/得する学生は?「学業は就活に無意味」はウソ?失敗避ける対策もの画像1「Thinkstock」より
 大学、就職、転職の分野に精通し、『バカ学生に誰がした?』(中公新書ラクレ)、『なぜ学生の9割は就活に疲れるのか』(主婦の友社)などの著書を持つ大学ジャーナリスト・石渡嶺司が、検討が進む大学新卒入社の就職活動後ろ倒しがもたらすさまざまな影響について解説します。

 今回は、実施が検討されている大学新卒の就職活動後ろ倒しにより、損する、もしく得するのはどのような学生なのか、対応策についてもまとめました。今回の内容は、後ろ倒しの実現以前の、今年の大学3年生にも当てはまることなので、ご参考にしてください。

(1)大きく得をする学生

 長期留学生(1年以上)、大学3年秋ごろから自分で就活イベントを主催する学生

<解説>
 大きく得をするのは長期留学をした学生です。彼らは大学3年3月~4年6月に帰国するため、これまでの就活スケジュールだとすでに選考が終了しており、留年せざるを得ませんでした。それが今回の後ろ倒しにより間に合うことになります。

 それから、自分で就活イベントを主催しようとするタイプの学生も、間違いなく得をします。何しろ、企業が動きたくても動けない中、学生が就活セミナーなどを主催すれば「広報活動ではない」と言い張れます。

 就活セミナー・イベントを主催できる学生の特徴は、ダメ元で動ける、失敗をそんなに恐れていない点にあります。私はこれまでに学生主催の就活イベント等にお呼びいただいたことが多々あります。こちらの本の宣伝や取材も兼ねてなので、学生主催については基本ノーギャラ。という話を聞いて、できるタイプの学生はまず動きます。

 この行動力は、就活の結果に現れます。例えば、四国地方のある学生が今、就活イベント開催のために動いているのですが、彼は「採用担当者を呼んで話を聞きたい」→交渉してNG→「だったら地元の営業所の営業マンはどうだろうか?」→OK。この行動力、それからダメだったらすぐ切り替える速さ。こういう学生は間違いなく得をします。

 一方、主催しようとして結局うまくいかない学生は「自分はその器じゃない」とか「ダメだったらどうしようか?」などともかくマイナス思考。これも今年の例でいうと、西日本の某大学の学生がそう。その大学の卒業生経由で私を呼びたいとの話が来たので、直接連絡がほしいと伝えてから数カ月経過し、特に連絡なし。聞いてみると「どんなメールを送ればいいか、そもそも無計画のままメールを送っていいのか悩んでいるらしい」とのこと。

 付言すれば、この大学の卒業生は最初に特に無計画のまま私を大学に呼んだことがあります(こちらも近隣に出張していたのでそのついで)。そういう経験のある卒業生に相談していながら、メール1本送れていません。

 かたや、無鉄砲でもまず動く、かたや、メール一本送れない。この違いは大きいでしょう。

(2)それなりに得をする学生

 勉強をしっかりする学生、大学3年秋ごろから就活イベントに参加する学生

<解説>
 就活が後ろ倒しになった以上、大学の勉強への注目度はさらに強くなるでしょう。よく大学の勉強が役に立たない、そもそも勉強などやってもムダ、と妄言を振りまく就活コンサルタントがいますが、リーマンショック以降、それまで大学の勉強を軽視していた採用担当者も、大学の勉強に対して見直すようになりました。

 それに出身学部がどこであろうが、大学の勉強をある程度やっている学生は、その分だけ教養や社会常識を備えている比率が、勉強していない学生よりも大きくなっています。どちらが企業にとって欲しい人材かは、言うまでもありません。

 という話をすると、じゃあ優(ないしA)評価はいくつあればいいのか? などという質問が出てくるので先回りしてお答えします。

 そうした点は重要ではなく、成績評価より大学の教職員ときちんと話をしているかどうかのほうが重要です。「何人と話せばいい」という問題でなく、ゼミの担当教員などと話をきちんとできる学生は、それだけ社会人とのコミュニケーションに慣れています。わざわざ学外のくだらない就活塾に通わなくても、タダでコミュニケーション能力を鍛えられるわけです。

 また、大学3年秋ごろから就活イベントに参加する学生は、自分で主催するまでにはいかなくても、学内外で開催されるイベントに参加できるタイプ。それも、学内だけでなく学外でちょい遠いくらい、たとえば、関東だと早稲田大生協で開催されるイベントに埼玉や千葉あたりから行く、関西だと梅田で開催されるイベントに京都あたりからでも行くなど。多少、距離が離れていて面倒と思っても「まあ、行けば何か得るものがあるかもしれないし、下らないものでもネタになるじゃないか」程度に思えるかどうか。こういう行動力があると、主催学生ほどでないにしても得をするでしょう。

BusinessJournal編集部

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