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なぜ今、JA解体・農業改革議論が加速? 議論骨抜き懸念、企業参入促進に課題も

文=編集部
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なぜ今、JA解体・農業改革議論が加速? 議論骨抜き懸念、企業参入促進に課題もの画像1JAビル(「Wikipedia」より/Jo)
 規制改革会議(議長:岡素之・住友商事相談役)は5月22日、全国農業協同組合中央会(JA全中)による指導制度(後述参照)を廃止することなどを骨子とした農業改革案をまとめ、農業改革に大きく踏み込んだ。

 改革案のひとつが、企業の農業参入に関する規制緩和。ふたつ目がJA全中の権限の縮小・廃止だ。「攻めの農業、強い農業」を狙ったものだが、規制改革会議委員の中に農業に精通していそうなメンバーが見当たらず、農水官僚らにより骨抜きにされるのではないかという懸念が、早くも広まっている。

 規制改革会議委員の顔ぶれは、以下の通りである。

 ・安念潤司(中央大学法科大学院教授)
 ・浦野光人(株式会社ニチレイ相談役)
 ・大崎貞和(株式会社野村総合研究所主席研究員)
 ・大田弘子(政策研究大学院大学教授)
 ・岡素之(住友商事株式会社相談役)
 ・翁百合(株式会社日本総合研究所理事)
 ・金丸恭文(フューチャーアーキテクト株式会社代表取締役会長兼社長)
 ・佐久間総一郎(新日鐵住金株式会社代表取締役副社長)
 ・佐々木かをり(株式会社イー・ウーマン代表取締役社長)
 ・滝久雄(株式会社ぐるなび代表取締役会長)
 ・鶴光太郎(慶応義塾大学大学院商学研究科教授)
 ・長谷川 幸洋(東京新聞・中日新聞論説副主幹)
 ・林いづみ(永代総合法律事務所弁護士)
 ・松村敏弘(東京大学社会科学研究所教授)
 ・森下竜一(大阪大学大学院医学系研究科教授)

 政府が6月にまとめる新たな農業強化策や新成長戦略に、規制改革会議の提言が盛り込まれることになるが、これは年内合意に向け議論が加速するTPP(環太平洋経済連携協定)に反対するJA全中に与える“ムチ”の色合いが濃い、という見方がもっぱらだ。

 改革案では、農地取得が可能となる農業生産法人に、企業が100%出資できるようにするとしている。現行の農地法では食品関連など一部の企業を除いて25%以下に規制されているから、もし実現されれば、かなり大胆な規制緩和になる。企業は農業法人を通じて、農地を完全に所有できるようになる。企業が自前の農地を持つことになるわけだ。企業の参入では、農業法人への出資規制を現在の25%以下から原則として50%未満に緩める。企業の業種は問わず、出資できるようになる。さらに農業生産を一定期間継続していることを条件に、100%出資できるようにする。しかし過去には、農業に参入したものの利益が出ないとみるやすぐに撤退し、農地を転売する企業が相次いだこともあり、他業種企業の参入には慎重な意見も多い。

BusinessJournal編集部

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