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山田修「戦略的ビジネス論~和根洋栽編~」(11月30日)

話題のユーシン社長公募、なぜ失敗?同社の誤解から、企業が採用で犯す過ちを考察

文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役
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話題のユーシン社長公募、なぜ失敗?同社の誤解から、企業が採用で犯す過ちを考察の画像1ユーシン社長公募の告知

●注目を集めたユーシンの社長選び

 ブログ機能の一つに「最近の人気記事」をいくつか表示するというものがある。筆者のブログでは、ここ数年来必ず上位に表示されている「定番人気記事」が、『ユーシン 社長公募その後(2) 結局、、』という記事だ。2012年5月に掲載した記事なのに、いまだに読まれ続けている。それどころか、1500以上ある過去の全記事の中で累積アクセス数が1位、それも2位を2倍以上離しての断トツ人気である。

 ユーシン社は10~11年にかけ、上場会社として珍しく社長を公募した。1722人もの応募があり、外務官僚のY氏(当時49才)が採用され、社長代行として就任した。

 ところが11年8月の臨時株主総会で同社は、社長昇格人事の先送りと田邊耕二現社長(同77才)の会長兼務を決定した。筆者は同年8月19日付ブログ記事http://yamadaosamu.blogspot.jp/2011/08/blog-post_19.htmlで、次のように書いていた。

「つまるところ、オーナー経営者である田邊氏が禅譲したくないのだ。(略)今回もY氏は結局は社長就任に至らないか、短期日でその職を追われることになるだろう。49才?まだ若いのにお気の毒なことに」

 今回、ユーシンの次期社長選びを取り上げたのには2つの理由がある。

 1つ目の理由は、本連載タイトルを『和根洋栽:日本の会社に外資のトップ』としたこと。Y氏は“外”資出身ではないが“外”務省出身なので、ということだ。日系企業との組織文化の違いの幅が、外資系より上級官僚のほうがより大きいため、興味深い事例だと考えられたからだ。

 2つ目の理由は、同社は今年に入り、また社長公募を発表して話題を集めたからだ。2月16日に「社長候補求む!」という広告を全国紙に打ったが、この2度目の募集について、田邊氏は次のようにインタビューで語っている。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

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