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広がるカット野菜市場、カゴメ参入で競争過熱 伸び悩む野菜需要、各社商品差別化図る

文=編集部
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広がるカット野菜市場、カゴメ参入で競争過熱 伸び悩む野菜需要、各社商品差別化図るの画像1カゴメ「サラダバンクシリーズ」の商品(「同社HP」より)
 大手総合食品メーカーのカゴメは、今人気のあらかじめカットしてパックに詰められた野菜、いわゆるカット野菜の販売に参入する。コンビニエンスストアチェーン向けカップサラダで急成長を遂げたマルアキフーズ(横浜市)や青果仲卸大手と合同出資して会社を設立する。9億円を投資して横浜に新工場を建設し、2015年1月からカット野菜を首都圏の食品スーパーで販売する予定だ。

 特徴は甘草、発芽大豆、低カリウムレタスなど、通常の野菜よりも栄養価が高い機能性野菜を使用する点。共同出資した青果の仲卸会社のほか、カゴメが出資する農業ベンチャーやトマト生産の契約農家のネットワークを生かして野菜を調達する。ブランド名は「サラダバンク」で、1パック60g前後入りで248円。他社のカット野菜よりも10~20%高い値段で、美容に関心を持つ女性や健康志向の高いシニア層をターゲットにする。

 カゴメがカット野菜に進出するのは、主力の野菜飲料が苦戦しているためだ。14年4~9月期の連結売上高は前年同期比1%減の1028億円、営業利益は35%減の32億円にとどまった。トマトジュースをはじめ野菜飲料の販売が落ち込んだ。「トマトに含まれる成分がメタボリック症候群対策に効果がある」との研究成果を12年2月に京都大学の教授らのグループが発表したことからトマトブームが起きたが、ブームの反動によるトマトジュースの落ち込みを他の野菜飲料でカバーできなかった。

 14年4~9月期の野菜飲料の売上高は439億円。前年同期(492億円)より53億円、11%減った。セグメント営業利益は26億円から13億円に半減した。「野菜生活」ブランドの野菜飲料はコンビニのいれたてコーヒーやヨーグルト飲料などと激しく競合。消費増税の影響もあり苦戦に陥った。

 このためカゴメは14年12月期の連結業績予想を下方修正し、売上高は従来予想から50億円引き下げ1620億円、営業利益は46億円と従来予想から15億円引き下げた。カゴメは決算期を3月から12月に変更するため今期は4~12月の9カ月決算になるが、2期連続の減益となる。14年3月期の営業利益は前年比27%減の67億円だった。巻き返しを図るためにカット野菜に進出する。生鮮野菜の4~6月期の売り上げは29億円で、セグメント営業利益は1億円強の赤字だった。

●カット野菜で先行するキユーピー

 野菜全体の需要が伸び悩む中で、売り上げが伸びているのがカット野菜だ。カット野菜はファミリーレストランやビジネスホテル、ファストフード、弁当・総菜などの業務用としては以前から使われていたが、ここ数年、コンビニやスーパーなどで気軽に買えることから家庭向けカット野菜人気に火がついた。

 コンビニ各社はカット野菜商品に工夫を凝らす。ローソンの「土からこだわった 中嶋農法のカットレタス」はミネラルが豊富。セブン-イレブン・ジャパンの「お手軽カット野菜」は、従来品よりしゃきしゃきした食感を味わえるようにした。ファミリーマートの「九条葱と水菜の和風サラダ」は京野菜5種類をパックにした。

BusinessJournal編集部

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