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三越、なぜ独り勝ち?百貨店、好調の一極化鮮明、業界全体は長期低迷の兆しも

文=編集部
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三越、なぜ独り勝ち?百貨店、好調の一極化鮮明、業界全体は長期低迷の兆しもの画像1銀座三越(「Wikipedia」より/Kakidai)

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は羽田空港国内線ターミナルを運営する日本空港ビルデング、成田国際空港(NAA)の100%子会社で免税店を手掛けるNAAリテイリングと組んで、三越銀座店に空港型免税店を開設する。

 通常の免税店は消費税のみが免除されるが、空港型では消費税のみならず、関税や酒税、たばこ税も対象になり、空港内にある免税店と同じだ。3社は9月に合弁会社を設立する。新会社の資本金は1000万円で出資比率は空港ビルが45%、三越伊勢丹HDとNAAリテが27.5%ずつだ。2015年秋に三越銀座店8階に出店し、売り場面積は3300平方メートル。品揃えは高級ブランドや宝飾品、時計、化粧品などが予定されており、初年度の売り上げは100億円、翌年度は130億円を目指す。

 今回の免税店出店は、20年開催の東京五輪に備えたもので、三越伊勢丹HDは「訪日観光客をもてなすインフラ」の整備と説明している。空港内の免税店では買い物する側は時間が足りず、店舗側は展示する商品が限られていた。広い売り場面積と滞在時間の長さが見込める空港型免税店を街中に展開することによって、新たな観光需要を掘り起こす。

 三越伊勢丹HDの大西洋社長によると、三越銀座店の年間売上高は700億円。外国人客は7~8%で、客単価は7000円から8000円。8階に免税店を入れることで単価の倍増を見込む。大西社長は「世界のギンザの銀座4丁目の角に立地する以上、将来は年商1000億円を目指す」としている。

 消費増税の反動から各百貨店の売上高が前年同月比で落ち込むなか、外国人観光客の追い風が吹く三越銀座店の7月の売上高は6.0%増と、18カ月連続で前年実績を上回った。同店における外国人の消費意欲の旺盛さについて、「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/8月9・16日号)は次のように紹介している。

「7月末、35度を超す猛暑だったにもかかわらず、三越銀座店の婦人服売り場では毛皮のムートンコートが売られていた。これは全館での催事『ぎんざみやげ』の一環で、今年から外国人観光客向けにそろえた専門商品だ。昨年の同催事では免税売上高が前年比3倍に拡大。今年は外国人観光客専用のカタログを作成した」

●明暗分けた外国人観光客の取り込み

 外国人観光客が三越伊勢丹HDの独り勝ちをもたらした。主要4百貨店の7月の売上高(速報)によると三越伊勢丹HDは前年同月比0.9%増で4カ月ぶりにプラスとなり、4月の消費税率引き上げ後、初めて前年実績を上回った。一方、J.フロントリテイリングの大丸松坂屋百貨店は3.0%減、高島屋は4.3%減、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は2.7%減だった。

 三越伊勢丹HDは夏のセールスを7月中旬から始め、気温が上昇した7月下旬に大きく売り上げを伸ばした。他の3社はセールを6月下旬に始めたが、7月中旬には天候が崩れた日が多かったこともあって販売が伸びなかった。

BusinessJournal編集部

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