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投資失敗の元凶「売り」問題、どう解決?好機を逃さず、損を防ぐ方法とは?

文=鈴木暁子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会
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投資失敗の元凶「売り」問題、どう解決?好機を逃さず、損を防ぐ方法とは?の画像1「Thinkstock」より
 今年は少額投資非課税制度、NISA元年。既存の投資家はもちろん、NISAに後押しされ、投資の世界に足を踏み入れた投資ビギナーも多い。そのNISA元年の株式市場は終値ベースで、1万5908.88円(1月6日)に始まり、一度1万3960.05円(4月11日)と年初来安値をつけたものの、9月19日には1万6321.17円の年初来高値を更新している。しかし投資ビギナーにとっては、ここからがイバラの道なのだ。

 投資ビギナーは「わかりやすい」「分散投資できる」「少額でもできる」などをポイントとしてアドバイスされていると思われるので、国内株式の投資信託や上場投資信託(ETF)などからスタートしている人が多いのではないだろうか。市場全体が底上げされているので、これだけの投資環境で投資をスタートできれば、投資の魅力を存分に味わっているだろう。

 では、ここで質問だ。あなたが購入した価格はいくらで、今いくらになっているか?

 これを答えられなかった人は要注意だ。投資をする以上、損益を意識するのは当然のこと。ただしそれは一喜一憂するためではない。今、儲かっていると喜んでいる人も、現状はあくまで含み益(現在の価格と購入価格の差額)にすぎず、購入した商品は売却しなければ損益は確定しない。「それならば、売ればいいのではないか」と思っただろうか。ところが投資の世界では、この「売る」ということが実は大変難しい。

 含み益が出ている時は「もう少し上がるかもしれない」と欲が出て、含み損を出している時は「もう少し待てば元に戻るかも」と、根拠のない希望に振り回されるのをベテラン投資家は何度経験したことか。筆者自身も、まだ自分の心の弱さと葛藤している。今年投資デビューした人で、今利益が出ていたとしても、それはあなたの投資センスだとは思わないほうがいい。今回はビギナーズラックである可能性がかなり高い。厳しいことを言うようだが、投資は運だけでは続かない。

 もちろん、しっかりと勉強していってほしいのだが、同時に必要となるのが冷静な判断力とブレない実行力。損益をどこで確定させるかを判断し、それを実行できるかが最も重用なのだ。

●システマティックな投資がお勧め

 できるだけクールに対応するために、システマティックな投資をお勧めする。例えば、「購入価格より20パーセント上がったら、あるいは10パーセント下がったら売却する」と、数値目標をあらかじめ決めておくことだ。ベテランであれば値動きを見ながら調整することもあるが、ビギナーは一度決めた方針を全うするほうが無難だ。

 そして、数値を決めても、そのとおりに実行しなければ意味がない。インターネットで取引している場合は、購入後、反対売買を注文できるようになっているはずだ。対面で取引している場合は、購入の際に担当者に「いくらまで上がったら、またはいくらまで下がったら、売ってほしい」と注文を入れておこう。

 あらかじめ注文を入れておくメリットは、自分の欲と葛藤しなくて済むほか、チャンスを逃さないことにもある。

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