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小川浩のNew Vision(10月2日)

流行と廃りが激しいウェブビジネス、ソーシャルファーストとファストウェブが不可欠?

文=小川浩/リボルバー代表取締役CEO、シリアルアントレプレナー
流行と廃りが激しいウェブビジネス、ソーシャルファーストとファストウェブが不可欠?の画像1「Thinkstock」より

 ウェブ、IT業界に精通し、数多くのビジネスの立ち上げを知るリボルバー代表取締役CEOでシリアルアントレプレナーの小川浩氏。先見の明を持つと各界から注目される小川氏がIT、ベンチャー、そしてビジネスの新しい時代を独自の切り口で解説する。

 筆者はここ数年、2つのコンセプトを提唱し続けている。

 それは「ソーシャルファースト(Social First)」と「ファストウェブ(Fast Web)」だ。

 ソーシャルファーストは、モバイルファーストと意味するところは近い。モバイルファーストとは、単にスマートフォンやタブレットのウェブサイトからつくっていくという順番の話ではない。いまやアプリやブラウザなど経由する媒体はさまざまだが、消費者のインターネット利用がモバイルに完全にシフトしていることを念頭に置いて、デザインもコンテンツも利用シーンも、まずモバイルを中心に設計し、そのうえでPCなど他のデバイスへと対応させていく考え方だ。

 同様に、ソーシャルファーストとは、2010年代の消費者がモバイルを中心に最も利用しているのがソーシャルメディアであり、ソーシャルメディアからの影響を受けることでトラフィックの発生や実際の消費行動を起こしていることを理解したうえで、サービスやプロダクトの設計を行うという意味だ。つまり、ソーシャルファーストは前提としてモバイルファーストを包含する考え方なのである。

 すでにPCのインターネット利用を、モバイルのそれが追い越している時代にあって、大企業であってもいまだに自社のウェブサイト群をスマートフォンに対応させていない企業は多い。いや、大企業どころか、モバイルやソーシャルメディアの運営を事業としているようなベンチャー企業でさえ同様の傾向がある。

 スマートフォンやタブレットに最適化されたデザインやコンテンツを考え、さらに来訪者のほとんどがソーシャルメディアの利用者であるとの認識に立ち、オウンドメディア(自社所有メディア)自体をソーシャル化することが重要なのである。

●ネットサービスのトレンドに、いち早く対応する

 ファストウェブとは、ファストフード、ファストファッションと同様の流れにある。ファスト(=Fast)とは「速い」という意味であることは言うまでもない。ファストフードとは文字通り「注文したらすぐに出てきて、比較的安い食事や食品のこと」を指し、ファストファッションとは「最新の流行を取り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態」のことだ。

 ファストファッションはファストフードから派生した造語だが、意味としては本家を凌駕している。つまり、ファストファッションでは「安かろう悪かろう」ではなく、それなりの品質の商品ながらラグジュアリーブランドやハイファッションの最先端のトレンドをいち早くキャッチし、流行が始まると同時に市場へ商品を出し、流行が終わる前に在庫を売り切るというビジネスモデルになっている。ファストフードが意味するところは、店頭での商品の回転速度に重きを置いているのに対して、ファストファッションでは数カ月単位での商品の回転速度が重要だ。

小川浩/シリアルアントレプレナー

小川浩/シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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