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小川浩のNew Vision(11月1日)

成功を約束する、正しい「死ぬ気で働く」方法?常にハイテンション&リラックス維持の秘訣

文=小川浩/リボルバー代表取締役CEO、シリアルアントレプレナー

 ウェブ、IT業界に精通し、数多くのビジネスの立ち上げを知るリボルバー代表取締役CEOでシリアルアントレプレナーの小川浩氏。先見の明を持つと各界から注目される小川氏がIT、ベンチャー、そしてビジネスの新しい時代を独自の切り口で解説する。

 最近、一人のベンチャーキャピタリストがベンチャー、スタートアップの経営者に対して「残業代とか週休二日などと甘いことを言わずに死ぬ気で働け」といった趣旨の発言をしたことが、インターネット上で話題になっている。

 起業家自身が檄を飛ばすためにする発言ならまだしも、投資をする側の発言としては、やや反発する気持ちを抑えられない。

 もちろん、起業家や起業予備軍ならば死ぬ気で働くというのはマスト条件であることは確かだ。問題は、それをどうやって“死なずに”成功するまで働き続けられるか、ということだ。ハイテンションで仕事をしていると、当然ストレスもたまる。スタートアップはつらいことばかり、問題ばかりに直面するから、心が折れそうになることも多々あるだろう。だからこそ、今回は死ぬ気で働く、いや働き続けるための秘訣を紹介したい。

実話に基づくエンターテインメントから学ぶ人生の秘訣

 皆さんは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(パラマウント映画)をご覧になっただろうか?

 本作は、主演のレオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が5度目のタッグを組み、大ヒットした作品だ。

 ディカプリオ演じる主人公は、強烈なハイテンションと魅惑的な話術を巧みに操り、急激に米ウォール街でのし上がった株式ブローカーである。

 1987年10月19日(月)に起きた、「ブラックマンデー(=暗黒の月曜日)」と呼ばれる史上最大規模の世界的株価大暴落によって職を失った主人公だったが、ペニー株(ほとんど価値を持たないクズ株)を売りつけて、客を損させることを厭わない悪徳商法で大金持ちになった。

 覚醒剤と売春婦、そして金。「日本でもバブル期には似たような輩が多く存在しただろう」という連想さえさせる、どうしようもない反社会的な人物の半世紀を描いた作品だ。

 しかしながら、この映画からは、登場人物たちの背徳的な日常からも、成功する人間に共通したシンプルな秘訣を学ぶことができるのだ。

 それは、

・いつでもリラックスしていること
・常にハイテンションでがむしゃらに働くこと
・ストレスをためない方法を身につけること

の3つだ。

常にリラックスすること

 作品の冒頭で、最初に就職した由緒ある証券会社の上司役として、マッチョで知られる俳優のマシュー・マコノヒーが登場する。『リンカーン弁護士』(日活)、『評決のとき』(日本ヘラルド映画)などで知られる。最新作の『ダラス・バイヤーズクラブ』(ファインフィルムズ)では、HIV感染者を演じて第86回アカデミー賞主演男優賞を獲得するなど、演技力でも高い評価を受けている。

 マシューが画面上に姿を見せるのは冒頭の数分だけで、ほぼカメオ出演(短い時間の出演、スーパーエキストラ)なのだが、非常に強烈な印象を観る者に与えてくれる。マシュー演じる登場人物は、コカインと売春婦をこよなく愛し、常にハイテンションで陽気だ。昼間から酒を飲み、クスリを摂取する。しかし営業成績は抜群で、常に上等なスーツを着こなす。

 彼はまだウブなディカプリオに対して、その後の作品全編にわたって展開されるすべての行動を裏付ける「教え」を授けるのだ。

 その教えとは、常にリラックスすること。24時間365日数字に追われ、休む間もなく働くときに、常にテンションを高く保たなければやっていられない。だからこそ、そのハイテンションを続けるためにリラックスしている必要があるという。

 しかし、力みながらも力を抜くのは至難の業。「どうやってやればいい?」という問いに対してマシューは、コカインと自慰(もしくは性行為)だと答え、トイレに行くたびにやれ、と指導する。そうやってリラックスとハイテンションを両立させなければ、株屋の最後は自殺か鬱だ、と彼は教えるのである。

リラックスとハイテンションを両立させる方法を探せ

 現実にマシューの教えを言われるままに実践したら、あっさりと人生を持ち崩すからやめたほうがいい。

 しかし、賢い人ならば、どんな情報や事実からも本質を抽出する。マシューの過激な教えの最大のポイントは、「常にリラックスすること」そして「ハイテンションで働き続けろ」ということだ。これができれば、成功は約束されたようなものだ。

 実際、ソフトバンクの孫正義社長や、Amazonのジェフ・ベゾスCEOなど、世界の大成功者をみても、常に楽しそうであり、かつハードワーカーだ。

 そして、矛盾するこの2つの心理状態を維持するための方法として、マシュー演じる上司は反社会的なやり方を教えるわけだが、ここは各自で応用して自分なりにアレンジした方法を見つける必要がある。

 例えば体を鍛えるとか、自動車やバイクなどの趣味に没頭するのもいいだろう。あるいは過度な喫煙や飲酒、不要なモノまで買い込んでしまう買い物中毒のように、一見すると悪癖のように思われる行為も、周囲に迷惑をかけない限りは許されるだろう。

 要は、自分だけのテンションリリース、つまりストレスを解放するなんらかの手段を探し出し、身につけることでリラックス状態とハイテンション状態を両立させ、それによってハードワークを成立させる。難しいが、多くの成功者をみれば、この単純な教えの実践者であることは一目瞭然だろう。

 あなたにとっての、リラックスとハイテンションを両立させるための秘訣はなんだろう。是非、共有していただきたいものだ。
(文=小川浩/リボルバー代表取締役CEO、シリアルアントレプレナー)

小川浩/シリアルアントレプレナー

小川浩/シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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