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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」(1月1日)

部下に嫌われ、能力も引き出せないダメ上司 部下を成長&成功させ、利益を上げる良い上司

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
部下に嫌われ、能力も引き出せないダメ上司 部下を成長&成功させ、利益を上げる良い上司の画像1「Thinkstock」より

 部下といっても、自分が評価権限を持つ部下と、単なるアドバイスするだけの部下とでは、まったく考え方や気持ちの入り方が違います。評価権限を持つということは、その人の家族の生活も左右するという自覚が必要だからです。

 筆者が初めて部下を持ったのは、評価権限を持たない部下ですが、指導をする立場となった入社3年目です。中途入社社員ではなく新入社員なので扱いやすかったですが、わかりやすく説明しなければならないので、自分の勉強にもなりました。ある時、「商品のネーミングを提案しろ」と指示した時に、その部下は100個ものネーミングを持ってきました。その中にいいものがなかったので、「ダメじゃないか、もっとわかりやすいものを考えろ」と言いましたが、「自分は果たして100個のネーミングを考えることができるのだろうか」と反省しました。自分ができないことを部下にやらせて叱ることに抵抗を感じた瞬間でした。それからは、「反論するなら、自分がそれ以上にできるようにならなければならない」と肝に銘じました。

 また、自分に自信がない時には部下を叱れません。部下の失敗を叱らなければならない時、その失敗が自分も日頃よくやってしまうミスの場合は叱れませんでした。情けないの一言です。その時、「自分もしっかりしなきゃいけない」と実感しましたが、その心構えが自分自身を成長させるものです。筆者の提唱しているマーケティング定義である「刺激・感動・行動」のサイクルは、人間関係でも使えるのです。

 ともかく、部下を指導する際は会社の利益も考えなければならないし、自分も相当覚悟しなくてはならない。一人の人間を指導するのは、下手をすればその人の家族も犠牲にしなければならないからです。部下を持ったら、まず責任感を猛烈に感じなければなりません。そして、「その部下を育てる」という考えで接する必要があります。

 部下は、自分の手下ではなく子供のように考えるとよい。子供でも大人でもそうですが、親に期待され、成功させて喜んであげればどんどん自分で成長していくものです。子供(部下)は、親に喜んでもらうのが利益(評価)よりも何よりもうれしく感じると肝に銘じていれば大丈夫です。子供(部下)が成功した時には親(上司)が大げさに喜んであげれば、子供(部下)はとても喜びます。

 そして、報酬やポジションをちゃんと上げてあげれば、ものすごくやる気が出てきます。上司の最大の責務は、部下の利益をとにかく上げてあげることです。具体的には、昇格させる、給与の査定を良くしてあげるなど。サービス残業などさせず、労働の対価はきちんと払う。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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