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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

マックデリバリーがヒドすぎる?ネット注文で何度もエラー&宅配遅延…

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
マックデリバリーがヒドすぎる?ネット注文で何度もエラー&宅配遅延…の画像1マクドナルドの商品

 深刻な業績不振に見舞われている日本マクドナルドは、2010年12月から東京都世田谷区の用賀インター店を皮切りにデリバリー事業をテストスタートさせ、現在では宮城県から沖縄県までかなりの店舗に広げている。確かにこのサービスは便利だが、当初は無料だった配達料が2011年6月からは308円となっている。この金額を高いと取るか安いと取るかは意見の分かれるところだが、大方のデリバリーピザチェーンや町の蕎麦店、中華料理店、すし店なども無料だ。

 マックデリバリーのターゲットは当初、ファミリー層、子育て中の主婦などとしていたが、実際には職場からの注文が多いという。主婦層にとって1500円以上(朝マックは1000円以上)注文+配送料308円はきつく、まして家族の健康を気遣う主婦層からすると、近隣住民の目もあり頼みにくいのではないか。一方、職場での注文が多い理由としては、配達時間が朝7時~夜23時までなのに加え、食べるのが子供ではなく大人で、しかも複数人で頼める点などが挙げられるだろう。

 スマートフォン(スマホ)アプリや電話、インターネットで簡単にログインして注文できるが、最近気になることがあった。それは、直接店舗へオーダーするシステムではなく、集中管理システムが採用されていることに由来するようだ。

 ある店舗店員の話によれば、例えば朝マックの注文時間は早朝~10時30分だが、10時30分前にオーダーしても、調理配達店舗に情報が降りてくるまでに頻繁にシステムエラーなどタイムラグが発生し、10~20分もかかることがしばしばあるという。配達店舗側からすると、朝マックが終わって、通常営業メニューに切り替えたのに、引き続き朝メニューをつくらなければならず、混乱し、配達も遅延してしまうというのだ。こうしたケースは多いにもかかわらず、店舗側からいくら本部に苦情と改善要請を伝えても改善されず、店舗側は「できればお客さんから本部へ苦情を言ってほしい」というのが本音だという。

店舗と本部とのやり取りに問題か

 著者は最近2回ほど職場からネット注文しようとしたのだが、最後の確定ボタンを押すとシステムエラー画面が出て、やり直しを求められた。何度やっても同じなので、仕方なく電話注文したのだが、マクドナルドの相談窓口に電話で問い合わせをしてみたところ、「領収書のチェックボタンを外したらどうでしょうか」とのアドバイスをもらい、その通りにしたら注文が完了した。結局電話とのダブル注文になったのだが、改善策が見つかっているのであれば、注文受付ページに記載するなり、注文電話窓口で顧客側に立ったアドバイスをしてほしいと感じた。

 一時が万事とまではいわないが、最近のマクドナルドはどうも顧客側に立った思考を失い、前述のとおり、店舗と本部とのやり取りが良好ではなくなっているようにみえる。

 フランチャイズ(FC)展開の場合は、フランチャイザー、フランチャイジーとの良好な関係が、顧客満足度を上げるための条件である。筆者が以前勤務していた日本コカ・コーラ社のFCシステムは、とてもうまくいっていた。良好なFCシステムは、メニュー開発やサービス向上以前に重要なことである。

 マックデリバリー自体については、とても優れたサービスだと思っているので、ぜひともマクドナルドは内輪揉めなどせずに顧客志向を心がけ、社会に必要な会社だと思われるようになってもらいたい。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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