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マック、失われた清潔感 なぜピカピカだった店舗がボロボロに?

文=山口芳生/ジャーナリスト
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マック、失われた清潔感 なぜピカピカだった店舗がボロボロに?の画像1東京都内のマクドナルド店舗(「Wikipedia」より/Sven Manguard)
 日本マクドナルドホールディングス(HD)の凋落が止まらない。今年2月の既存店売上高は前年同月比でマイナス28.7%。昨年2月に大雪の影響で前年割れを記録してから13カ月連続、つまり1年以上既存店売上高は落ち続けているのだ。前年同月の実績がないオープン1年未満の店舗も軒並み売り上げが落ち込んでいることから、全売上高も昨年7月から2桁の減少を続けており、今年1月はなんと38.6%の減。2月も28.9%の減と、絶望的な数字を示している。

 これを受けて、3月25日に開かれたマクドナルドの株主総会では、サラ・カサノバ社長以下役員陣の減俸と原田泳幸会長の退任を決定。もっとも、それが業績の回復につながるはずもなく、3月以降も厳しい状況は続いていくはず。1971年の創業以来の危機を迎えているのである。

 絶不調の原因となったのは、周知のように中国工場期限切れ鶏肉使用問題や、次々と発覚した異物混入問題だが、今回は特に異物混入問題について触れたい。なぜなら、筆者が記憶しているマクドナルドのQSC(Quality:品質、Service:サービス、Cleanliness:清潔)では起こりえないことだからだ。

 かつてのマクドナルドは営業が終了すると、清掃専用のキャスト(アルバイト)が店中をピカピカにして、徹底的に清掃を行っていた。客席やガラス窓、植栽など、あらゆるところまで手を抜くことなく清掃していたのである。厨房も同様。営業時間中は厨房のキャストが作業の合間にグリドル(ハンバーガーやバンズを焼く鉄板)をスクレーパーでこすっては焦げ付きを取り除いていたし、閉店後はマックシェイクの機械を分解して水洗いしていた。分解したまま乾燥させるので、朝イチのシェイクマシンの組み立ては、キャストが覚えるべき大切な仕事のひとつだった。

 だから、混入問題など起きなかったと断言するつもりはない。人間のやることだから、どこかでミスは起きていたはずだ。しかし、機械を分解・組み立てまでして清掃するというようなCleanlinessの意識をキャストに至るまで徹底させていれば、自然とミスは少なくなっていく。現在のように多発して大問題となるようなことはなかったはずだ。

●24時間営業の弊害

 では、そのようなセルフチェックの仕組みがなくなってしまったのはなぜか。理由はいくつか考えられるが、いちばん大きいのは24時間営業のスタートだろう。

 営業終了から開店までの時間を清掃作業に充てていたからマクドナルドの店舗はピカピカに保たれていたし、ピカピカの中で作業をするから、営業時間中も店内や厨房をきれいに保とうと努力した。

 しかし、24時間営業となると、それまでのように徹底した清掃作業を行うことは不可能だ。厨房設備も休むことなく使用され続けるわけで、こちらもしっかりとした清掃やメンテナンスを行うことができなくなる。これまでのようなCleanliness意識を持つことが難しくなったのである。

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